
都内の私立高校に通う良太(リョウタ)と周(シュウ)は、色気より食い気の腹ペコ男子。安くて旨くて、腹がいっぱいになる“俺らの三ツ星店”を探し、日曜の朝練後に食べに行くのが楽しみ。そんな高1コンビが、6月某日、早朝に向かった先は、彼らの地元・高円寺にある24時間営業のラーメン屋『タロー軒』。

創業45周年の老舗ラーメン屋『タロー軒』
高円寺の『タロー軒』は、JR高円寺駅に向かう道沿いにあり、その建物が目を引くほど細長くて薄っぺらいんです。風が吹けば飛ぶような感じのお店ですが、僕が通学の行き帰りに通るたびにひっきりなしにお客さんが出入りしています。
庶民食堂系が好きな僕らは、『タロー軒』のその佇まいに惹かれ、いつか味と量を確かめなくてはと思っていたんです。しかも店は24時間営業。そこで、朝練前の早朝に行ってみることにしたんです。

良太:45年前に創業したってことは、今ほどたくさんコンビニがない時代だよね。当時、24時間営業というのは、ラーメン屋としては最も最先端な営業スタイルだったのかもしれないね。
周:今だって24時間やっている個人経営のラーメン屋さんって少ないと思うよ。一般のラーメン屋が12時間営業だとしたら、その倍、つまり、90年間営業してきたと言っていいかもしれない。
良太:なるほど。しかもラーメン屋さんって人気がないとすぐ潰れるっていうから、相当、愛されてるってことだね。
周:とりあえず入ってみよう。

『タロー軒』 はラーメンだけではくカレーの評判もいい、と父から聞いてきたので、僕は「ラーメン+半カレーセット」840円、良太は「つけ麺」690円を食べることにしました。券売機にお金を入れようとしたら、お店のおばさんが、「今日は何にしますか?」って。まるで常連さんに対するような気さくな感じです。