旨い店はタクシー運転手に訊け! 讃岐うどんの「ひやあつ」&「とり天」が絶品すぎる十条の『いわい』へ

うどんのコシ、出汁の風味を味わえる「ひやあつ」

メニューは 「ひやあつ」以外に、「あつあつ」(熱い汁に熱いうどん)「ひやひや」(冷たい汁に冷たいうどん)などがあります
メニューは 「ひやあつ」以外に、「あつあつ」(熱い汁に熱いうどん)「ひやひや」(冷たい汁に冷たいうどん)などがあります

「ひやあつ」を注文すると、ご主人が手打ちのうどんを茹で、流水でしっかり締めた後に、熱々のつゆをかけて、さっと出してくれます。私の場合、麺量は大600g(500円)。ちなみに小は200g(300円)、中は400g(400円)です。

手打ちうどんは、少々不揃いなところも味のうち
手打ちうどんは、少々不揃いなところも味のうち

 うどんは太く、重量感があって、表面はツルツル。噛むと歯に粘り強いしっかりしたコシを感じます。さらに食べ進んでいくと、口の中に小麦の旨みがどんどん広がっていき、讃岐うどん本来の美味しさをしっかりと感じることができます。

うどんは一度、流水でしっかり締めます
うどんは一度、流水でしっかり締めます

 また、うどんつゆは、東京のしょうゆの真っ黒なつゆとは違い、黄金色に輝き、透き通っています。ひと口いただけば丁寧に出汁をとったことがわかる魚介系の澄んだ香りと味わいが広がります。

 実は、関東に育った私は、こうした関西風の薄口つゆを20代前半まで知りませんでした。20数年ほど前に大阪で初めて食べて以来、この透き通ったつゆが大好きになり、うどん屋さんに行く時も関西風の店を探したり、また、自分で作る時もこの薄口つゆ派になりました。

透き通った黄金色のスープです
透き通った黄金色のスープです

 そして、4年ほど前に初めて『いわい』さんを訪れた時に、この「ひやあつ」の存在を知り、この食べ方が最も出汁の旨みを感じられ、さらにうどんのコシもしっかり味わえる、素晴らしいアイデアだと感激したんです。

 ちなみに、こちらの出汁は、小鍋で本古節、片口鰯、昆布などのエキスを抽出し、それを何度も繰り返して大きな寸胴で合わせるそう。これもレジェンドの『宮武』さんと同じ手法なんです。

この小さな鍋で繰り返し出汁をとるそうです
この小さな鍋で繰り返し出汁をとるそうです

「一気に大鍋で炊いてしまうと楽なんでしょうが、やってみると味が全然違うんです。味が濁ってしまう。だから手間がかかっても小鍋で少量ずつやっています」と岩井さんが言っていました。