美術品クラスの名器で佐賀の美食を味わう「USEUM SAGA」に行ってきた!

【コース料理の全貌】美術品クラスの極上の皿に盛り付けられる個性豊かな料理たち

佐賀ゆかりの品で装飾された空間で、ウェルカムドリンクからコースがスタート
佐賀ゆかりの品で装飾された空間で、ウェルカムドリンクからコースがスタート
「セコガニ 戸矢かぶ」
「セコガニ 戸矢かぶ」

 コースの幕開けを飾ったのは、見た目のインパクトも強烈な一品。ズワイガニのメスであるセコガニと、佐賀県有田町で古くから栽培されてきた戸矢かぶを使ったアミューズです。

 器はカニの甲羅を正確に再現した李荘窯業所製の磁器。あえて裏返しでアミューズの台座として使っているのもユニーク。カニの旨みがかぶのやさしい甘味、爽やかのユズの香りと一緒に口いっぱいに広がります。

「キャベツ」
「キャベツ」

 続いて登場したのは、生、炒め、長時間ローストと3種の火入れのキャベツをまとめて揚げたコロッケ風の揚げ物。キャベツとはこんなにも味わい深い野菜だったのかと驚かされます。

「栗坊南瓜 サフラン」
「栗坊南瓜 サフラン」

 スープは甘みの強いミニカボチャ、栗坊南瓜を使ったポタージュ。唐津市で栽培されたサフランで香り付けされています。世界一高価なスパイスとも言われるサフランが国内で栽培されていることにまずビックリ。上品なスープの味わいにウットリしてしまいました。器は共に224porcelain製。「キャベツ」の下に敷かれているのは、佐賀特産の名尾手すき和紙。

「東鶴ソルティドッグ」
「東鶴ソルティドッグ」

 ウェルカムドリンクとしていただいたのは、純米酒粕焼酎 「天山マスク」と柑橘あまくさのお湯割り。熟したリンゴを思わせる香りが豊かに広がります。

 続いて、多久市で醸されている日本酒「東鶴 純米 冬支度」を使ったソルティドッグをいただきます。コクのある日本酒にレモンの酸味と粗塩の塩味、ミントの香りをプラス。個性の強い素材を繊細にまとめ上げる園田さんのセンスに脱帽です。

「しいたけ」、「トマト」
「しいたけ」、「トマト」

 椎茸、トマト、ナスと野菜が主役の料理が3皿展開されました。

「しいたけ」は、鰹出汁、ニンニクとネギから取ったオイルを使って低温火入れした椎茸を香ばしく焼き上げたもの。椎茸をバターで炒めて乾燥させたパウダーがたっぷりとまぶしてあります。椎茸をしっとりジューシーに仕上げながら、本来の旨みが最大限引き出されています。器は人間国宝の十四代今泉今右衛門作。一般的に人間国宝の陶芸家が料理皿のような生活食器を手がけることは珍しいが、「USEUM SAGA」のために特別に作ってもらったそうです。その美しさたるや、流石の一言。

 人間国宝である井上萬二作の碗に鮮やかに盛られているのは、トマトをトマト出汁と梅酢で浅漬け風に仕上げた「トマト」。澄んだガスパチョのジュレがかけられた、なんとも涼やかな一皿です。

「ナス」
「ナス」

 李荘窯業所の器に盛られた焼きナスに目の前で出汁がたっぷりとかけられたのは「ナス」。鶏をベースに牛、豚、納豆やキムチ、酒粕などの発酵食品でとられた風味豊かな出汁が、香ばしく甘味が引き出されたナスと見事に調和しています。