富山の地形と文化に根ざした、寿司を感じる体験ツアーへ

「寿司といえば、富山」プロジェクトは、富山の豊かな自然と文化を背景に、寿司の新しい形を提案し、国内外の観光客を魅了するもの。自由な発想で寿司を再定義し、イベントや教育プログラムを通じてその魅力を広く伝えていくという。
そのキックオフイベント「SUSHI collection TOYAMA」のプログラムも実にユニークな2日間であった。

1日目は北陸新幹線の停車駅・新高岡駅に集合後、観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール3号」に乗車し、「美食を生み出す富山の地質学教室」を体験するところからはじまった。車中で講師に迎えたのは、「ジオリブ研究所所長」であり、美食地質学者の巽好幸先生。車窓に広がる海と山の絶景を愛でつつ、標高3000m級の立山連峰と水深1000mの富山湾、高低差4000mの特徴的な地形を持つ富山県の地理的優位性を学ばせていただいた。

その後、氷見に移動した一行は、17代続く網元の家・濵元家にて、天然の生け簀・富山湾で400年の歴史を持つ定置網漁の歴史についても理解を深める。
富山の地形的な優位性と、富山湾を慈しみながら生きる文化を肌で感じ、いよいよ寿司の実食へ。夕食に案内されたのは、氷見の寿司の名店「成希」。店主の滝本成希氏の握りで、富山の寿司を感じると思いきや、実は今回、東岩瀬に「Japanese Restaurant GEJO」を構える下條貴大氏も加わり、ふたりの富山の寿司職人が前後半で、それぞれの握りを楽しませてくれるコラボ寿司を供してくれた。

若手寿司職人ふたりによる、「地形の恵み」をテーマとした寿司のフルコース。富山の食材や地酒を使い、若きふたりが繰り出す、趣向を凝らした握りやつまみ。アイデアと持てる技術をフル回転させ富山食材でゲストをもてなすというスタイルに、寿司といえば富山も決して夢物語ではないと、プロジェクトの真意を体感することとなった。
