包丁選びのポイントは使う場所と用途、自分にぴたりとハマる握り心地と重さのバランス

「包丁」といっても、刃の長さや形、素材など種類はさまざまです。では、どのようなポイントをおさえれば、自分に合った包丁が選べるのでしょうか?

「包丁を選ぶ際は、まず用途を考えることが大切です。一人暮らしなのか家族がいるのか、どのくらいの大きさのもの、食材を切るのかなど、使うシーンや頻度をイメージしてください。そこから刃の形を選び、その中の材質や構造の違いから自分に合う1本を絞っていくという流れになりますね」(齋藤さん、以下同じ)
また、日常的な使いやすさのために、キッチンの広さと収納スペースをイメージすることも必要なのだそう。そして、包丁選びの最終ポイントは「握り心地」だと言います。

「握り心地は1番の決め手になります。当店では、売り場のまな板素材の天板の上で実際に包丁を握って動かし、重さやバランス、ハンドルの形が自分に合っているのかを必ず確認していただきます。刃と柄のバランスや重さは包丁ごとに全然違うので、確認したうえで自分にピンと来るものを選んでいただいていますね」
包丁は道具なので、使う人との相性も重要。どんなに良い包丁でも「握りにくい」「自分の手には重い」などと感じると、だんだん使わなくなってしまうので、選ぶ際には使う用途と場所、使用頻度、握り心地をしっかりと確認しましょう。
魚や肉、野菜などこれ1本で抜群の安定感! 包丁界の万能選手「三徳包丁」

包丁にはさまざまな種類があり、野菜や肉など切る素材に合わせて使い分けることで、料理の仕上がりに変化が出るのだそう。
「例えばお刺身を切るなら、両刃の包丁より刃先が鋭角な片刃の柳刃包丁の方が、切り口が美しく滑らかに仕上がります。基本的には刃が薄く、切り口が綺麗に切れる包丁という視点で選んでいただくと、お料理の味も変わってきますね」
しかし、用途によって包丁を使い分けするのは、料理ビギナーとってハードルが高め。そこで、齋藤さんがおすすめするのが「三徳包丁」です。

「海外で万能包丁として使われていた牛刀の形と、日本で昔から使われている菜切の幅感を持ち合わせているのが三徳です。牛刀のように切先と呼ばれる刃の先端が尖っていることで肉や魚を切りやすく、菜切りのように幅があるので、手を当てて行うキャベツの千切り、嵩が高い野菜も安定して切ることができます」
肉や魚、野菜などオールマイティに切ることが出来る「三徳包丁」は、幅広い料理に対応できるので、まずは1本持っておくと便利で頼れる存在。ちなみに『釜浅商店』オリジナルの洋包丁シリーズ「amane」三徳包丁は、素材と形にこだわりがあるのだそう。

「釜浅オリジナルの”amane”は、刃を1枚鋼材で薄く仕上げ、さらに刃先に向けて徐々にカーブがかったハマグリ刃という形状になっています。この形状により抵抗が少なく、食材との接触面が減るため、切り離れも良くなります。また、丸みを帯びた形状は摩耗しにくく、欠けにくいという特徴があります」
