一番ウマいコンビニの「鮭おにぎり」はどれ? 大手3社の商品を食べ比べてみた!

【標準タイプ】パリパリの海苔で巻いた三角の「鮭おにぎり」

(左から)『ローソン』、『ファミリーマート』、『セブン-イレブン』の「鮭おにぎり」
(左から)『ローソン』、『ファミリーマート』、『セブン-イレブン』の「鮭おにぎり」

 まずは、お馴染みの三角の型をした「鮭おにぎり」を食べ比べします。いずれも、フイルムをはがして自分で海苔を包む「コンビニおにぎり」のド定番タイプです。

 3社ともに紅鮭を使用し、海苔も国産。ただし、各社の「鮭おにぎり」には表記に微妙な違いがあります。『ローソン』は「有明海産海苔」を銘打っている一方、お米の表記はありません。『ファミリーマート』も同じです。そんな中、お米に関してはセブン-イレブンのみ「国産米」の表記があり「京の米老舗 八代目儀兵衛監修」と記載されていました。

ローソンが最安の税込167円だが、どこが一番うまい!?

それぞれの「鮭おにぎり」に海苔を巻いてみました(並びは前写真と同じ)
それぞれの「鮭おにぎり」に海苔を巻いてみました(並びは前写真と同じ)

 次に各チェーンの「鮭おにぎり」の価格を見てみましょう。

・ローソン「手巻おにぎり 熟成紅鮭」167円(税込)
・ファミリーマート「おむすび手巻 紅しゃけ」180円(税込)
・セブンイレブン「手巻おにぎり 炭火焼熟成紅しゃけ」189円(税込)

 価格だけを見ると、『ローソン』が最も安く税込167円。次いで『ファミリーマート』が税込180円、『セブン-イレブン』が税込み189円と続きます。大差ないように思えるものの、日常的に口にする「コンビニおにぎり」なだけに、1円でも安いほうが嬉しいのも正直なところ。『ローソン』の安さはかなり嬉しいです。

それぞれ2つに割ってみました(並びは前写真と同じ)
それぞれ2つに割ってみました(並びは前写真と同じ)

 というわけでさっそく食べ比べ。まず鮭の身のほぐれ方にそれぞれ違いがありました。『ファミリーマート』が細かめで食べやすく、『ローソン』がほぐし身と身の塊の半々で構成。『セブン-イレブン』がもっとも大きいかたまりの比率が高いと感じました。このことから、食感の楽しさで言うと、『セブン-イレブン』が最強ということになりますが、前述の低価格にして、ほぐし身と身の塊の半々で勝負する『ローソン』のコスパの良さに感激しました。

 肝心の味は、各社とも焼いた鮭の風味・旨みはそれぞれしっかりと感じられましたが、ここでもやはり『セブン-イレブン』の「鮭おにぎり」がダントツで美味しく感じました。特に身の大きさや食感と合わせて炭火の香ばしさや鮭の旨みを感じました。

 他方、『ローソン』も負けておらず、お米と鮭の塩加減は実に奥ゆかしい味わいでした。また3社の中では最もあっさりと感じた『ファミリーマート』ですが“おかずとよく合うおにぎり”ということでもあります。

【リッチタイプ】素材にこだわった「リッチ鮭おにぎり」!

(左から)『ローソン』『ファミリーマート』『セブンイレブン』の「リッチ鮭おにぎり」
(左から)『ローソン』『ファミリーマート』『セブンイレブン』の「リッチ鮭おにぎり」

 続いて、より味にこだわった「リッチ鮭おにぎり」を比べていきます。『ローソン』は、脂ののったアトランティックサーモンのハラミを塩糀に漬け込んで焼き上げ、国産のお米でふっくら包んだタイプ。『ファミリーマート』は、脂のりがよく身が柔らかい銀鮭をあぶり焼きにした「ごちそう級」のおにぎり。『セブン-イレブン』は、身がしまって味が濃い紅鮭を炭火で焼き、新潟県産のコシヒカリで包んだというおにぎりです。

 こちらも各チェーンの価格を見てみましょう。

・ローソン「金しゃりおにぎり 焼さけハラミ」268円(税込)
・ファミリーマート「ごちむすび 鮭はらみ」248円(税込)
・セブンイレブン「新潟県産コシヒカリおむすび 炭火焼紅鮭切り身」248円(税込)

 定番の「鮭おにぎり」では最安だった『ローソン』が「リッチ鮭おにぎり」では最高値の税込268円という結果に。そして、『ファミリーマート』、『セブン-イレブン』は、全く同額の税込248円でした。

「お米と鮭だけで勝負」と言わんばかりのセブン

『ローソン』、『ファミマ』はしっとり海苔で包まれるなか、『セブン-イレブン』は海苔なしの潔さ
『ローソン』、『ファミマ』はしっとり海苔で包まれるなか、『セブン-イレブン』は海苔なしの潔さ

 各社の「リッチ鮭おにぎり」をいただきます。『ローソン』、『ファミリーマート』は、ハラミを使用しているので、脂ノリの良いジューシーさが売りで、お米との相乗効果で定番の「鮭おにぎり」よりも旨みがアップしている印象です。違いは、『ローソン』は、塩麹の風味が上品ながらも塩味のインパクトを打ち出しているように感じました。これに対し、『ファミリーマート』は、プリっとした食感を際立たせており、あっさりしながら十分な食べ応えを楽しめました。

それぞれ2つに割ってみました(並びは前写真と同じ)
それぞれ2つに割ってみました(並びは前写真と同じ)

 また、『セブン-イレブン』ですが、「お米と鮭だけで勝負するのだ!」と言わんばかりのネイキッド仕様。そして、唯一ハラミでなく紅鮭を使用しているためかギュッと旨みが凝縮されたような味わいでした。とても美味しいですが、3社の「リッチ鮭おにぎり」の中で最もたんぱく質が多く脂質が少ないのも魅力で、昨今の健康志向の高まりにも対応しているように思いました。

やはり「コンビニおにぎり」は『セブン-イレブン』がダントツ!?

あなた好みの「鮭おにぎり」「リッチ鮭おにぎり」を見つけてくださいね!
あなた好みの「鮭おにぎり」「リッチ鮭おにぎり」を見つけてくださいね!

 ここまで、コンビニ3社の「鮭おにぎり」の定番とリッチの双方を食べ比べましたが、価格を除けば、いずれも『セブン-イレブン』のおにぎりが最も美味しく感じました。「コンビニおにぎり」という商材を広め、コンビニ業界の底上げをした『セブン-イレブン』は、今なおおにぎりには抜かりない開発を続けているように思いました。

 定番の「鮭おにぎり」では最安を誇りつつ、「リッチ鮭おにぎり」では最高値ながら徹底した調理のこだわりを実現する『ローソン』のコンセプトも興味深かったです。

 また、3社の中では最も個性控えめとも思える『ファミリーマート』ですが、この控えめさがかえって万人受けするとも考えられ、特に味濃いめのおかずとは最も相性が良いおにぎりを開発しているようにも感じました。

まとめ

 いずれのコンビニおにぎりも、昨今、注目を浴びる専門店に負けず劣らずの美味しさだったことは間違いないことも付け加えておきます。皆さんは、どのコンビニの「鮭おにぎり」「リッチ鮭おにぎり」が気になりましたか? ぜひあなた好みの一品を見つけてみてくださいね。

(取材・文◎松田義人(deco))