一体どんな味? オーストラリアで食べた「カンガルーの尻尾」が衝撃的すぎた【豪州珍食紀行】

西オーストラリア州でカンガルーの尻尾を食べる

アルミホイルに包まれたカンガルーの尻尾
アルミホイルに包まれたカンガルーの尻尾

 さて、その後、西オーストラリア州に移動した筆者。ランチ時、アボリジニのガイドさんが焚き火を起こし、何かを焼きはじめました。アルミホイルで蒸し焼き? 一体何を……?

 その正体は「カンガルーの尻尾」(!)。アルミホイルを外すと、まるで象の鼻のような質感の尻尾が、見事にこんがり焼き上がっていました。

 こわごわ食べてみると、脂っぽいゼラチン質であまり味がなく、率直に言って美味しくない。さらに少し焦げていたこともあり、焦げと味のなさに閉口……。とはいえ、出された食事は残さず食べる主義の筆者(体重110kg)。ありがたく、自分の分はすべて食べきりました。

蒸し焼きにされたカンガルーの尻尾
蒸し焼きにされたカンガルーの尻尾

 オーストラリアにはもうひとつ、超有名な食用昆虫があります。それはウィチティ・グラブ(Witchetty Grubs)です。ウィチティ・グラブは蛾の幼虫。木の根っこを食べるので、木の根っこの膨らんだポイントを探すと見つかります。

ウィチティ・グラブが好む樹木。地面を掘る必要がある
ウィチティ・グラブが好む樹木。地面を掘る必要がある

 さて、ウィチティ・グラブの味はどうか。シンプルに炙ったグラブは、甘みが感じられ、スイートコーンの味に近いものがありました。コクがあるというよりストレートな甘みと旨さで、少量でもなかなかの食べがい。

 一匹しか採れなかったので、私は頭側を食べましたが、尻尾側を食べた同行者によれば、「スクランブルエッグのような感じ」とのこと。なんとも不思議な食べ物です。

 旅先でしか味わえない食材はたくさんありますが、ミツツボアリやウィチティ・グラブ、カンガルーの尻尾など、普通の旅行では食べられないものも、下調べをして少し足を伸ばせば堪能できることがわかりました。未知なる食べ物に出会うためのグルメ旅、ちょっとクセになりそうです。

●著者プロフィール

吉田誠
NPO法人食用昆虫科学研究会理事。 キノコ狩り、釣り、ダイビング、水族館巡り、ガジェット収集とかいろいろやってます。東京都ふぐ取扱責任者免許を取り、さらなる趣味の世界を広げ中。