まずは「アタマの大盛り」を計ってみる

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」と孫子にもある通り、“相手をよく知る”。これが今回の作戦の第一歩です。
吉野家の「アタマの大盛り」は、ごはんが普通盛りで、肉(アタマ)が多いのがウリの商品です。そこで、まずはごはんと肉の量を計ることから始めます。それぞれ、計測してみます。

まず肉だけを取り出して計ってみると、84gでした。重さだけでなく枚数も大事。ということで数えてみると、大が5枚、中が5枚、小が5枚で、計15枚あります。

次に、ご飯を計量します。玉ねぎがたくさん入っているので、これを除くと、ご飯だけで297gという結果に。ちなみに、玉ねぎは24gでした。

計測の結果をまとめると、以下の通り。
1)肉は大中小5枚ずつの計15枚で84g
2)肉の大きさ別重量は、大1枚=10g。中1枚=約5g、小1枚=約1g
3)ご飯は297g
この結果に基づき、単純にご飯297gを肉15枚で割り算すると、肉とご飯の理想のバランスは次のようになります。
「1枚の肉あたり平均19.8gのご飯が必要」
この約19.8gのご飯(約20gに換算)というのは、吉野家でテイクアウト時にもらえるスプーンでこんもり1杯分くらいの量です。お箸でも、そのくらいを目安にすると、ちょうどひと口ほどに相当します。

しかし、肉15枚というのは、大中小を合わせた肉の枚数なので、どのサイズにもご飯20gを合わせるのはナンセンスですよね。

そこで、解決策としては、大サイズの肉(1枚約10g)を箸で半分にカットして、中サイズ(約5g)に揃えます。すると5枚あった大サイズ肉はなくなり、中サイズ肉が計15枚になります。あとは小サイズ肉が残りますが、これは食べる際の誤差を埋める役割として、そのまま置いておきましょう。いざ実食です。

丼ぶりを前に、思わずかっこみたくなりますが、ここはグッと我慢。手始めに、肉や玉ねぎといったアタマを片側に寄せます。肉を1枚取ってみて、大きいようなら箸で中サイズにカット。そしてスプーン1杯分(約20g)のご飯に、その中サイズの肉を1枚のせて、パクリ。

同様にスプーン1杯分のごはんと中サイズの肉を食べ続けます。玉ねぎは箸休めに食べたり、肉にのせていただきます。
とにかく、大きな肉が出てきたら、必ずカットして食べ進めるのがコツ。計算通り、ご飯と肉がバランスよく減ってきます。ごはんや肉に多少の誤差があった場合は、小サイズ肉で調整します。そしていよいよ最後のひと口になりましたが……ちゃんと中サイズの肉が残っていました。
まとめ

吉野家の牛丼の「アタマの大盛り」を、肉とご飯を最後の最後まで楽しむ最適なバランスは、スプーン1杯程度のご飯(約20g)と、中サイズの肉1枚(約5g)を一緒に食べ進める、でした。
これをちまちまと実際にやる人はいないと思いますが、この比率を、牛丼(アタマの大盛り)を食べる時の参考にしていただければと思います。やればやったで、バランスの良さに満足できて、達成感もありますよ。
(撮影・文◎土原亜子)