買いたいなら朝イチに行くべし! 数量限定「イチゴ」
おすすめとして最初に教えてくれたのが、こちらの「イチゴ」。数量限定なのでオープンして即売り切れることもあるそうで、過去には確実に購入するためにオープン前から3時間も並んだ人もいるのだとか。
イチゴのクリームとイチゴのジュレを薄いチョコレートでコーティングしてあり、チョコレートを割って食べるそうです。
たっぷり詰まった濃厚なムースはまるでクリームのような滑らかな舌ざわり。口の中でとろけ、優しい甘さとイチゴのフレッシュな風味が広がります。
ムースに包まれたイチゴのジュレは果肉感が残っており、甘いだけじゃなくほんのり酸味があるのが良い。下に敷かれてあるクッキーまで絶品で、隅から隅までこだわりを感じます。
旬を味わう! 最高のイチジクを使った「フィグキャネル」
小倉さんが長く付き合っているイチジク農家の完熟イチジクを使った「フィグキャネル」。下から、シナモンのパウンドケーキ、ブルーベリーのジュレ、アーモンドのスポンジ生地、バニラのムース、その上にこぼれ落ちそうなほどたっぷりのイチジクがのっています。
これだけさまざまな材料と生地が使われているのに、まるで最初から一心同体だったかのような完璧な組み合わせ。全てを一緒に食べることで、それぞれがもつ食感、味、風味の良さが引き出されます。そして、イチジクの瑞々しいこと!
筆者は普段からコンビニやスーパーのケーキを美味しい美味しいと食べているので、正直なところ高級スイーツを食べたところで違いが分かるか不安でしたが、明らかに違う。難しいことは分からなくても「イチゴ」も「フィグキャネル」も一口食べた瞬間の感動がスゴイんです。全身に幸せが広がりました。
本場フランススタイルにこだわったパンの数々
「フランスのパティスリーは”朝、店を訪れたらその日の食生活が成り立たないといけない”という基準があるので、ケーキだけじゃなくパンや惣菜もおいているんです」と小倉さん。『Patisserie YUTA ogura vision Y』ではそのスタイルだけではなく、本場と同じものを提供するため、材料もヨーロッパから取り寄せているそう。
この日は4種類ほどのパンが並んでいましたが、クロワッサンをチョイス。
外はパイのようにサクサク、中はしっとりもっちり。指でちぎると、芳醇なバターの香りがふわっと広がります。表面が香ばしい分、内側の生地のほんのりとした甘さが際立ちます。「フランスの人たちはこんなに美味しいクロワッサンを日常的に食べているの?」と羨望のため息が洩れました。
のんびりした町に優しく吹くフランスの風。気さくなパティシエと宝石のようなスイーツたちが迎えてくれるパティスリーは、身も心も幸福感に浸れます。特別な日のとっておきのスイーツに、いかがでしょうか。
(撮影・文◎佐々木舞)
●SHOP INFO
Patisserie YUTA ogura vision Y
住:東京都調布市西つつじケ丘3丁目26−11
営:11:00~19:30
休:水曜(祝日の場合は営業)