パンの具がポテチ!? 横須賀市に根付く謎の惣菜パン「ポテチパン」を食べ比べてみた

湖池屋「うす塩味」使用の『ワカフジベーカリー』の「ポテチパン」

地元の人気店『ワカフジベーカリー』の「ポテチパン」175円(税込)
地元の人気店『ワカフジベーカリー』の「ポテチパン」175円(税込)

 まずいただくのは横須賀・久里浜エリアにある『ワカフジベーカリー』の「ポテチパン」。コッペパンの間にギッシリ詰まったポテチ餡が食欲をそそる一品で、他店よりも荒めのカットが特徴です。聞けば湖池屋の「ポテトチップス」の「うす塩味」を採用しているとのこと。さっそくいただいてみましょう!

ポテトチップスはあえて荒めに刻まれています
ポテトチップスはあえて荒めに刻まれています

 コッペパンのふわっとした食感に対し、キャベツのシャキシャキ食感と、ポテトチップスのパリパリした食感が同時に味わえます。全体の食感のバランスがとても面白いですが、後から追い上げてくるマヨネーズの酸味と胡椒もまた美味。キャベツの甘み、コッペパンの小麦感を押し上げてくれる印象です。これ以上ない完成された味わいで絶品。人気ナンバーワンも納得の味わいです。

●SHOP INFO

店名:ワカフジベーカリー

住:神奈川県横須賀市舟倉1-15-8
TEL:046-835-0548
営:月~金・第2、4日曜9:00~17:30
休:土曜

元祖ならではの帝王感!『中井パン店』の「ポテチパン」

「ポテチパン」発祥の店として知られる『中井パン店』の「ポテトチップス」140円(税込)
「ポテチパン」発祥の店として知られる『中井パン店』の「ポテトチップス」140円(税込)

 続いては、「ポテチパン」発祥の店として県外にもその名が知られる『中井パン店』の「ポテチパン」をいただきます。商品名は「ポテトチップス」とあり、インパクトのあるビジュアル。肝心のポテトチップスは、カルビーの「のり塩」が採用されているようです。

ポテチ餡は、カラシがきいています
ポテチ餡は、カラシがきいています

 平べったいパンに挟まれたポテチ餡は、カルビーの「のり塩」、キャベツ、にんじんなどが採用されており、さらにカラシがきいています。具材が渾然一体となり、一度食べたら忘れられないインパクトある味わいを表現しています。なかなか強い味わいで、まさに「元祖」がなせる帝王感のある味でした。

●SHOP INFO

店名:中井パン店

住:神奈川県横須賀市三春町1丁目20
TEL:046-822-3567
営:7:00~ ※売り切れ次第終了
休:日曜

進化系の上品な味わい!『ヨコスカベーカリー』の「ポテチパン」

創業昭和3年の老舗『ヨコスカベーカリー』の「横須賀ポテチ」360円(税込)
創業昭和3年の老舗『ヨコスカベーカリー』の「横須賀ポテチ」360円(税込)

 最後は、横須賀の中心部・若松町エリアにある『ヨコスカベーカリー』の「ポテチパン」。『ヨコスカベーカリー』は昭和3年創業の老舗で、横須賀名物として知られるパン「ソフトフランス」発祥の店として知られています。近年改装され、オシャレな店内に数多くの惣菜系パンが並んでいますが、中でも根強い人気があるのが「ポテチパン」。こちらでは「横須賀ポテチ」の名で販売されています。

野菜多めで、コーンの甘みがオシャレな味わいを表現
野菜多めで、コーンの甘みがオシャレな味わいを表現

 丸っこいパンの小麦感が美味しく、さらに中にたっぷり入ったポテチ餡は、独自のドレッシングで和えられており、キャベツ多めでポテトチップスは少なめ。さらにコーンの甘みと食感がインパクトを与え、どことなくオシャレな味わいです。B級グルメ的な印象がある「ポテチパン」をさらに進化させ、上品に仕上げた一品で、横須賀散策のお供やお土産などにピッタリです。

●SHOP INFO

店名:ヨコスカベーカリー

住:神奈川県横須賀市若松町3-11
TEL:046-822-3567
営:8:00~20:00
休:日曜・祝日

●まとめ:横須賀のご当地パンとして知られる「ポテチパン」は、各店ともおおむね「定義」を守りつつも、その味わいは個性が違った!

 県外の人間にとっては「『ポテトチップス』をパンの具にするの?」「どんな味なのかさっぱりわからん!」と思いますが、一度食べればヤミツキになることウケアイ。横須賀のご当地グルメとして深く根付いていることも納得の味わいでした。

 また、各店とも「ポテチパン」以外にも、定番から各店オリジナルまでいくつもの個性派惣菜パンがありました。特に古き良き昭和の味わいを求める人、大手メーカーの画一的なパンは「美味しいけど、何か味気ない」と感じる人にとっては必ず満足していただけるはずです。ぜひ横須賀エリアを巡る際は、各店の「ポテチパン」を食べてみてください!

(撮影・文◎中西ふみえ、松田義人)