「ドトール珈琲店」は大人気だった!

訪れたのは東京文京区・本郷三丁目駅前にある『ドトール珈琲店』です。駅改札を出ると目の前に『ドトールコーヒーショップ』があるのにもかかわらず、その数十歩先に、この『ドトール珈琲店』がありました。行ってみると、61席もあるというのになんと満席! 大人気じゃないか! 客層としては、学生、ビジネスマン、ご年配の方々、親子連れの家族など幅広く、もはやファミレス状態です。
フロアは普通のドトールと比べてかなり広く、ゆったりとしたソファー席、4人がけのテーブルシート席、さらに1~2人用の小さなシート席などもあります。シートに案内されて座ってみると、椅子はふっかふか。王様気分です。席の間隔も広く、他のお客さんから覗かれにくいようなレイアウトになっていて、なかなかのんびりできそうな空間です。

メニューを開くと、まずはコーヒーのページ。ここでは、普通のドトールとは違い、コーヒー生産量全体の数パーセントしかない希少性高い豆を使用し、挽きたて&淹れたてのハイクラスなスペシャルティコーヒーがウリのようです。実際、店の入り口付近でスタッフの方が1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れているんですよ。
そしてフードのメニューを見ると、確かに、パスタやオムライス、ドリアなどのメニューがずらり。その中に、件のカレーを発見。その名も「珈琲店のビーフカレー」(990円)です。“数種類のスパイスにコーヒーでコクをプラスした”というコピーが添えられており、ソソられます。せっかくなので、コーヒー付きのセット1375円で、コーヒーは「ドトールブレンド」をチョイスしました。
で、待つことしばし。最初に登場したのが「ドトールブレンド」です。

中深煎のブラジル&コロンビア豆を使用したというコーヒーは、確かに挽きたてのコーヒー豆特有のフレッシュな香りがします。飲んでみると、まろやかな舌触りで、口の中でその丸みを帯びたコクが増幅するよう。明らかに通常のドトールのブレンドコーヒーより上質な味わいです。
続いて登場したのがお目当ての「珈琲屋のビーフカレー」です。

インド系ではなく、英国経由でやってきた洋風カレーといったイメージですね。見た目も美味しそうですが、なんといっても香りがイイ! そしてカレーソースの色も濃厚なチョコレート色をしていて、具材もゴロゴロ。思ったよりもはるかに贅沢なカレーじゃないですか! さっそく食べてみます。

カレーソースは、玉ねぎや野菜、牛肉がじっくり煮込まれた感じの、濃度の高いとろみ具合です。そのソースを一口。ちょっぴり辛いのですが、スパイスが馴染んでいて、とがった感じはゼロ。まるでホテルで食べるカレーのようなリッチな味わいです。メニューにはここにコーヒーが入っている、と書いてありましたが、さすがに舌ではわかりませんが、確かにコク深く、旨味も濃い。
具材は、ゴロゴロと大ぶりの牛肉が6個。かと思いきや、3つはビーフで3つはナスでした。それには少しがっかりもしたのですが、食べ続けてみると、これが意外と良いバランスなんです。
ビーフはふんわり柔らかく噛み締めると旨味があって、ナスはクタッと舌の上でとろけて、ソースを吸い込んでいるので、口の中でじわっとカレーの香りとナスの旨みが広がります。欲を言えば、ビーフ3:ナス6の割合が嬉しいな、と思ったりしました。
そして、このカレーライスでもう1つ感動したのが、実はライスです。

このライス、カレーのためだけに炊いたのかと思うほど超優秀。心持ち硬めに炊いてあり、それを少し押さえつけたような感じでお皿に盛られて出てきます。
スプーンですくうと、塊になるのですくいやすく、カレーソースにも絡まりやすい。口に入れるとホロリとほどけ、米粒を噛むほどに心地よい弾力を感じます。そしてご飯自体に旨味もある。そう、総合的にカレーの旨さを引き立たせている立役者がライスなのです。
まさかドトールでこんなに美味しいカレーライスが食べられるとは思いもしませんでした。そして、カレーの後にもやっぱりコーヒーを飲みたくなり、おかわりしました。2杯目が半額というのも嬉しいですね。なんだかんだと居心地がよく、1時間半も滞在してしまいました。
●調査結果

同僚に教えてもらった通り、ドトールコーヒーのカレーが美味しいという噂は本当でした。しかも、ほかにも気になるメニューがいっぱいあって、ちょっと値が張る分、通常のドトールより使い勝手がいいかも! ぜひ、皆さんもお近くの『ドトール珈琲農園』(場所により『ドトール珈琲店』もあり)を探して食べに行ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)