いま話題の中国蒸し料理専門店『蒸籠味坊』で絶対味わいたい至極の「羊肉料理」7選

蒸し物だけじゃない! 『蒸籠味坊』の上質すぎる羊肉の世界

「ラムレバーの油淋ソース」550円。ねっとりクリーミーで噛むほどに旨みあふれる逸品
「ラムレバーの油淋ソース」550円。ねっとりクリーミーで噛むほどに旨みあふれる逸品

 このお店に来たら絶対にハズせない羊料理が「ラムレバーの油淋ソース」。レバーは火を入れすぎるとパサつきがちな部位ですが、これは熱の入り方が絶妙で、ねっとりと舌でとろけます。このラムレバー、正直言って筆者が今まで食べた中でも断トツの旨さ。これ550円で本当にいいの? と驚く味とコスパです。

 お次は蒸し料理ではありませんが、「羊足の旨味揚げ」。羊の脚は、中国料理だと茹でて食べることが多い気がします。皮がゴワゴワしていて、筆者はそこまで好きな部位ではなかったんですが、この旨味揚げを食べて、その印象が一変しました。

「羊足の旨味揚げ」350円
「羊足の旨味揚げ」350円

 まず、食感が最高。皮がパリッとしていて食感が楽しく、内側の肉のもちもち感とのコントラストがたまりません。揚げ方が本当にスゴい。しかも1本350円。これまた本当にいいの? と思うリーズナブルな価格。そしてビールがガンガンすすみます。

 さて、羊といえば、肉もさることながら、骨も重要アイテム。めちゃくちゃ良いダシが出るんです。そんな羊骨を強火で8時間炊いた「羊出汁スープ」の濃厚なウマさを最大限に味わえる一品が、「羊の白湯米線」。

「羊の白湯ビーフン」1200円
「羊の白湯米線」1200円

 ちなみに羊骨はなかなか手に入りにくいんですが、これは常に一頭買いをしているから実現できるスープです。濃厚ながら羊の臭みなどはほとんどなく「羊はスープがウマい」と改めて実感できる逸品。麺は米線という中国のお米の麺。これがまたこのスープをうまいこと絡め取り、ツルツルと実に美味しいです。

 さて、調理法を問わず“羊”にフォーカスしてきたわけですが、蒸し物専門店なので、最後に蒸し料理の羊肉料理をご紹介したいと思います。中国で蒸すといえば点心。とりわけ、イチオシは「ラム肉饅頭」。ゴロっとしたラム肉の角切りがふんだんに入ったふわふわの肉まんは、ラム肉の旨みが生地にも浸透して非常にジューシー。これ、コンビニの中華まんコーナーで売ってくれないかな、と思うほど美味しいです。

「ラム肉饅頭」400円
「ラム肉饅頭」400円

 そのほか、「ラムヒレ肉の山椒味噌」「羊肉団子と発酵白菜のうま煮」「羊ホルモンの麻辣風味」などもあり、これらもまためちゃくちゃ美味しいので羊好きの方はこの7種類をコンプリートするのが吉です!

中国料理とラム肉の新しい可能性を蒸籠味坊で見た!

余談ですが、こちらの「楊州炒飯」(1200円)も最高に美味しい。個人的炒飯ランキング2022暫定1位です
余談ですが、こちらの「楊州炒飯」(1200円)も最高に美味しい。個人的炒飯ランキング2022暫定1位です

 冒頭でも書きましたが、筆者は『蒸籠味坊』を1週間で2回訪問しました。それほど美味しくて満足度が高いのです。ラム肉の調理法も多彩で、炒める・焼く以外の調理法で攻めていて、非常に楽しくもあります。

 これまで日本でも本場・中国でも、いろんな中国料理を食べてきましたが、鍋や点心専門店以外で、炒め物がほぼ出てこない(炒飯だけ)お店は初めてです。この店から新しい中華のジャンルが生まれそうな予感がする『蒸籠味坊』。ぜひ行ってみてください。

●SHOP INFO

蒸籠味坊(じょうりゅうあじぼう)外観

店名:蒸籠味坊(じょうりゅうあじぼう)

住:東京都渋谷区西原3-8-5 アコルデ代々木上原2階
TEL:03-5761-6430
営:7:00~23:00(22:00LO)※プレオープン期間中は11:00~23:00
休:無休(施設の定休日に準ずる)

●プロフィール

菊池一弘
羊齧協会主席。羊肉を常食する岩手県遠野市出身の父の影響で、羊肉料理に親しんで育つ。北京留学中に現地の味に触れ、その魅力に開眼し羊好きの消費者団体「羊齧協会」を結成。本業はイベントの開催・運営、場作りのプロとしてのアドバイザー業務。