散歩の途中で寄りたい!東京の焼き菓子店5選

MERCI BAKE メルシー ベイク
食楽web

タルトにガレット、クッキー。寒い季節には、香ばしい焼き菓子が食べたくなりませんか?
珈琲はもちろん、ワインにも合う。そんなおいしい焼き菓子を求めて、街をぶらぶら歩いてみました。

MERCI BAKE メルシー ベイク

東京・松陰神社前

アーモンドのタルト
焼き上がったばかりの「黒糖とくるみのタルト」(奥)と「アーモンドのタルト」

パリのワインスタンドのような
空気が漂うフランス菓子店

 味のある、昔ながらのお店と新しい店が仲よく並ぶ、松陰神社の商店街。ある朝、散歩がてら歩いていたとき、匂いにつられて入ったのが、ここ「MERCI BAKE」だ。

 外装も内装もいたってシンプル。それゆえ、ショーケース内の焼き菓子が自然と目に飛び込んでくる。カウンターでスコーンを食べながら珈琲を飲んでいると、若者から子供を連れたお母さん、おばあさんまで、次々と現れては焼き菓子を買っていく。

 黒糖とくるみのタルトを包んでもらい、帰途につく。赤ワインを飲み、何気なくタルトを食べてみると、焼きこまれた小麦粉の風味、黒糖のやわらかな甘み、香ばしいくるみが一体となって、グラスの赤ワインがすぐに空になった。

「メープルスコーン」と「ONIBUS COFFEE」のコーヒー
「メープルスコーン」と「ONIBUS COFFEE」のコーヒー

 ある日、代々木上原「ル・キャバレ」のカウンターで、ギャルソンの坪田君と喋っていると、“松陰神社に面白いケーキ屋さんがあるんです。店主の翔太さんは若いけど、すごくセンスがいい”という。“ファサードのアルミサッシも味があって、カウンターで珈琲を飲んでると、なんだかパリっぽくて”。フランス好きの坪ちゃんらしい表現で“いい店なんです”と教えてくれた。“知ってるよ。あそこの黒糖とくるみのタルトは旨いんだ”と、なんだかうれしくなってしまった。

真っ当なフランス菓子を
他とは違うアプローチで

店主の田代翔太さん
店主の田代翔太さん

 店主の田代翔太さんがこの店をオープンさせたのは今年7月。以来、口コミでケーキのおいしさと居心地のよさが伝わってか、毎日多くのお客さんが集まってくる。

「東京にはお洒落なケーキ屋さんはいっぱいあるけど、どこもアプローチが似ている。音楽に例えるなら、いろんなジャンルがあるのにクラシックばかり。フォークやロックの店があってもいいと思うんです。ぼくはフランスの焼き菓子を出す、クラシックじゃない店を作りたかった。肩肘張らず、いまの自分ができる等身大の店で」

 フランス・リヨンのお菓子屋で修業経験をもつ翔太さんだが、実は先述の坪田君や京都の「Le 14e」で活躍している茂野眞君との出会いに、影響を受けたという。

「二人が『祥瑞』にいた頃、可愛がっていただいて。三ツ星ではないけど、味、店の空気感、テンション……とても刺激を受けたんです。話してみると、好きなことをやっているという情熱が凄くて。ああ、ぼくもケーキ屋でそれをやればいいんだと、ふっきれました」

 大ぶりのタルトや瓶に入ったレアチーズケーキ、ラフなカトラリー、ケーキを立って食べてほしくてつくったカウンター。年月とともに風合いを増しそうな空間に、今日も香ばしい匂いが漂っている。

●SHOP INFO

MERCI BAKE

店名:MERCI BAKE

住:東京都世田谷区若林3-17-10
TEL:03-6453-2389
営:9:30~19:00
休:水曜休