誰にでも、突然無性に食べたくなる味というものがあると思いますが、筆者にとっては『天下一品』(通称:天一)の「こってり」がそれに当たります。今さら説明不要かもしれませんが、天一の創業者・木村勉氏が昭和46年に屋台を引き始め、3年9ヶ月かけて開発したという伝説のラーメンです。
その「こってり」が爆発的な人気となり、京都の総本店をはじめ全国津々浦々、ハワイにまで支店がオープン。今回、調べてみてわかったのですが、現在、その数は約220軒もあるようです。
ただ、筆者は支店の高円寺店でしか食べたことがありません。というのもかなり昔、天一に週2回のペースで通う天一好きの友人に初めて連れて行かれたのが高円寺店で、しかも友人によれば、都内には無数の天一の支店があるものの、ほとんどがフランチャイズ店で、高円寺は数少ない直営店だと教えてくれたからです。
高円寺店で初めて「こってり」を食べた時のことは今でも鮮明に覚えています。まるでカレーかカルボナーラのソースのようにどろりとしていて、それが麺に絡みつくと、箸を持つ手さえ重たくなるほど。味は濃厚でコク深く、しかもクドくない。「これはスゴい!」と感動したものです。
さて、最近、その友人と久しぶりに電話で話していたら、「天一のこってりスープを最後まで一滴も残さず楽しみ尽くす方法を見つけた」と言い出しました。けっこう長く天一に行っていなかったし、その方法とやらも気になったので、後日、高円寺の天一に一緒に行ってランチを食べることになりました。