“こってり一筋”のキャッチフレーズでおなじみ『天下一品』(通称:天一)といえば、京都の総本店を皮切りに、現在では全国240店舗以上を展開する人気ラーメンチェーン店。麺にまったりと絡みつくあの高粘度のこってりスープに魅了され続けている天一ファンも多いのでは? そして、かくいう筆者もその一人です。
天一のラーメンは、「こってり」スープ以外に、「あっさり」や「屋台の味」(こってりとあっさりの中間のスープ・通称:こっさり)を選べますが、筆者はいつも「こってり」一択。しかも、お店で「ラーメン、細麺で」とだけ伝えても、当然のように「こってり」が登場します。そう、天一ではお店側もお客さん側も「こってり」が当たり前。
しかし最近、ふと疑問が湧いてきたのです。一体、「あっさり」ラーメンの存在意義は何なのだろうか? と。みなさんも考えたことありませんか? 筆者は10年ほど前に一度だけ食べたことがありますが、正直な話、ほとんど味の印象が残っていません。
「屋台の味」はまだわかります。これこそが天下一品の創業当時のスープで、こってりとあっさりの中間。だから“元祖”を味わう意味もあるし、「今日は、こってりよりやや軽めがいいな」という体調の時にも便利。でも、天下一品に行って「今日は、あっさり気分」というシチュエーションが果たしてあるのか。そもそも天下一品なのに…。あっさりしたものが食べたければ、ほかのラーメン店に行けばいいような気がしますよね。
そこで、昔から天一に通いまくっている友人に「天一で“あっさり”って食べたことある?」と聞いてみたところ、「天一で“あっさり”を頼んでる人なんてほぼ見たことがない」と即答されました。それでも「本当だろうか?」と思って、ネットでさらに調査すると、天下一品の社長さんのコメントを発見。
それによれば、来客の約7割が「こってり」を注文する、という談話を見つけました。つまり残りの3割は、「屋台の味」か「あっさり」、はたまた最近登場した「味噌ラーメン」を注文していることになります。
さらに、調査を続けると、ネット上には「あっさりという名前だが、こってりに負けない濃厚なコクだ」と言う人や、はたまた「俺は誰に何と言われようがあっさり派だ」と宣言する原理主義者らしきツワモノもいることが判明しました。
こうなると、もう一度、「あっさり」を食べてみたくなってきます。そこで、いつも通っている『天下一品 高円寺店』に行って、「あっさり」を体験してみることにしました。