【実食レポ】焼肉&割烹が融合した『肉割烹 双』(麻布十番)のフルコースで肉料理の新境地を垣間見た!

アンティークの器に盛られた多彩なメニュー。さまざまなアイデアと工夫が

(左上)「和牛琥珀筋スープ」、(右上)「ヒレとフォアグラの小丼」、(左下)「和牛ハラミユッケ」は青森県産の「じょっぱり卵」をかけて。(左下)サイドメニューの「ちぢみほうれん草サラダ」はとうもろこしのドレッシング
(左上)「和牛琥珀筋スープ」、(右上)「ヒレとフォアグラの小丼」、(左下)「和牛ハラミユッケ」は青森県産の「じょっぱり卵」をかけて。(左下)サイドメニューの「ちぢみほうれん草サラダ」はとうもろこしのドレッシング

 席につき、落ち着いたところで出された最初の品は「和牛琥珀(こはく)筋スープ」。白磁のコップで出された品のあるスープは、牛すじに鰹出汁を合わせたもの。お腹の中をじんわりと温めてくれます。

 2品目は蓋つきの丸い器。そっと開けてみると、二口ぐらいのご飯にヒレ肉とフォアグラを乗せた「ヒレとフォアグラの小丼」でした。甘いタレがフォアグラとヒレ肉をつなぐ、贅沢な組み合わせです。

 3品目は、「和牛ハラミユッケ」、4品目「ちぢみほうれん草サラダ」と続きます。小ポーションで提供されるので、これなら飽きることなく最後まで美味しくいただけそうです。スープから始まり、小丼、和牛ハラミユッケ、サラダと何品か食べすすめていくうちにふと気になることが。それは料理を引き立てる華やかな器たち。「器の中には、江戸時代からの骨董品、アンティークの器もあるんですよ」と料理長。器を愛でる楽しさも魅力の一つとなっているのかも。

素材の良さを実感! 藻塩で味わう「黒毛和牛タンの炭火焼き」

「今日のお肉」で見せてもらったタンが、炭火で焼かれて目の前に。外側は焼き目があるものの、中はほんのりピンク色
「今日のお肉」で見せてもらったタンが、炭火で焼かれて目の前に。外側は焼き目があるものの、中はほんのりピンク色

 5品目に出てきた「黒毛和牛タンの炭火焼き」。さっき木箱に入っていたタンを炭火で炙ったもので、藻塩が添えられています。少しつけて食べてみると、炭火焼きならではのスモーキーな香り、そして肉の旨みと甘味が口の中いっぱいに広がり、レモンの清涼感も感じられます。

(左上)「和牛サーロイン出汁タレ焼き」、(右上)「カンジャンケジャン」、(左下)プチプチとした食感がいいアクセントの「いくらの茶碗蒸し」、(右下)「和牛トロたく巻き」
(左上)「和牛サーロイン出汁タレ焼き」、(右上)「カンジャンケジャン」、(左下)プチプチとした食感がいいアクセントの「いくらの茶碗蒸し」、(右下)「和牛トロたく巻き」

 出てくる料理は、普段焼肉店では見ないような個性的なもの、そしてお馴染みのメニューでも、店独自のアレンジが効いた、ここでしか味わえない独創性の高いものまで色々。たとえば、韓国料理で有名な熟成カニの料理「カンジャンケジャン」では、料理と一緒にビニール手袋が出され、自らカニの身を殻から取り出し、その身をウニとノリが乗ったごはんの上に乗せていただきます。

「和牛トロたく巻き」は、サーロイン肉を細かくしたものを、タクワンと共にご飯に乗せ、海苔で包んで味わいます。中でもさすがプロの技! と思ったのが「和牛サーロイン出汁タレ焼き」。サーロイン肉の片面を炙ったのち秘伝のタレを塗り、その肉を鰹出汁ベースの柚子汁スープに。ミョウガやブロッコリースプラウトで飾っています。柚子の酸味に鰹の旨み、そしてサーロインから出る旨みが絶妙なバランス。これぞまさに焼肉と割烹の融合、レベルの高さを感じます。

ワサビと肉の甘さが完璧な調和の「和牛ヒレ炭火焼き」、食感も楽しい「和牛サーロイン自然薯とろろ」

後半戦突入。11品目は「和牛ヒレ炭火焼き」。わさびと大根おろしが添えられている
後半戦突入。11品目は「和牛ヒレ炭火焼き」。わさびと大根おろしが添えられている

 一番シンプル、だけど肉本来の美味しさを堪能できたのは、20品中、11品目に出てきた「和牛ヒレ炭火焼き」。シャトーブリアンを塩で焼き、最後にコショウをぱらり。1つ目はそのまま、2つ目はワサビを少し乗せて。ワサビのツンとくる味と香りはシャトーブリアンの肉汁をスッキリかつ華やかに仕上げてくれます。

「和牛サーロイン自然薯とろろ」。サーロイン肉の中には長芋が包まれている
「和牛サーロイン自然薯とろろ」。サーロイン肉の中には長芋が包まれている

 続いて出てきたのは、「和牛サーロイン自然薯とろろ」。すりおろした自然薯の上に炭火で焼いた和牛サーロインが乗った美しい一品です。サーロインの中には長芋が包まれています。自然薯のおろしたものと特製ダレで滑らかな味わいですが、中に包まれている長芋がシャキシャキの食感。とろとろなのに、噛むとシャキシャキ。うっとりするような美味しさと、ワクワクする仕掛けが、遊び心を感じさせます。