毎月150万個が売れる! 長崎発祥『福まん家』の「あご出しから揚げ」が大人気のワケ

美味しい音はやっぱり美味しい証だった!

 購入したのは、イチオシの「あご出しから揚げ」(1個120円)。知人の証言どおり、確かに一般的なから揚げの2倍ほどはあろうかというビッグサイズ。箸で持ち上げるとずっしり重くて、ものすごく芳ばしい香りを放っています。

 早速ひと口かじってみると、前述した咀嚼音をはるかに超える、「カリカリッ!」と軽快な音。衣が口の中で砕けていく心地よい音が耳を振動させます。さらに歯が肉に到達するやいなや、ふっくらとした柔らかさが顎に伝わってきて、ジュワ~ッと肉汁が広がるのです。これらの音が反響し、ASMRとは違い、カラダ全体に響いてきます。

 そして何より驚くべきは、その甘さです。甘いといっても砂糖のような甘さではありません。あご出汁のうま味からくるじんわりした甘み。

 1個、2個、3個と食べても、揚げ物ならではの重たさが全然ありません。これは長崎の五島列島の高級油・椿油によるものでしょう。油のキレ感、サクサクの軽さ、そして、なんと表現したらいいのかわかりませんが、椿油ならではのツヤっぽいみずみずしさとでも言うのでしょうか。こんな和風の上品な味のから揚げ、正直、いままで食べたことがありませんでした。

 ちなみに、「福まん家のから揚げは、冷めても美味しい」と知人が言っていました。たしかに、時間を置いて冷えたものでも衣がベチャッとせず、カリッとしたまま。油がくどくなることもなく、お肉も柔らかさをキープしています。冷えたから揚げも絶品でした。

 現在、『福まん家』は、長崎県内、東京・大阪・福岡・愛媛・沖縄など全国62店舗あるそう。話題の「あご出汁から揚げ」の実力のほど、ぜひご自身の舌でお試しあれ。

(撮影・文◎土原亜子)