絶品すぎるサンドイッチに悶絶

中でもダントツに美味しいと思ったサンドイッチは、「名古屋コーチン卵 白トリュフ風味」(430円)です。
あふれんばかりの卵&マヨが入っていて、濃厚な名古屋コーチンの卵黄の味わいに豊かなトリュフの香り。そしてなんと言っても食パン自体が超秀逸なのです。皮の部分はサクッと香ばしく、中の生地はふわふわ。そして小麦粉の旨みとコクを感じるのです。噛むたびに「ウマっ」を連発してしまったほど。

あまりの美味しさに衝撃を受け、後日、お店の総料理長・平松怜音さんにお話を伺うことにしました。

取材でわかったのですが、実は『本郷ベーカリー』は、同じ本郷にあるカジュアルイタリアン『ピアンタ』をはじめ、地域密着型の飲食店を複数経営しているアマノクリエイトという企業が母体だそうです。
「当社初のベーカリー店ということで、町の気軽なパン屋さんを目指す一方で、母体のレストランの要素を加えて、様々な食材を組み合わせて新しいパンを作っています」と平松さん。

手のひらサイズの食パンの生地がとても美味しかったことを伝えると、「国産小麦粉100%(春よ恋、ゆめちから)と、塩は沖縄産のシママースを使用しており、手のひらサイズの食パンやサンドイッチのパンには、生地にマスカルポーネを加えているんですよ」と教えてくれました。
なるほど、あのコクにはそんな秘密があったんですね。

平松さんのイチオシを聞くと、「1つを選ぶのは難しいですね。すべてのパンにアイデアを盛り込んでいるので」とのこと。
例えば、人気の「ひみつのメロンパン」(220円)にはウイスキーを隠し味に使い、仕上げにはメープルシュガーを使用しているんだとか。

さらに、パン屋さんはレストランよりも廃棄処分量が多いと言われますが、こちらでは、売れ残った食パンも翌日美味しく食べてもらえるように「ココナッツシュガーバタートースト」として調理して販売しています。
「実は毎日売り切れてしまうくらい人気になり、今は、これのために食パンを焼いているくらいです(笑)」(平松さん)

聞けば聞くほど、1つ1つのパンに作り手のこだわりと思い入れがあって楽しくなってきます。やっぱり、あれもこれも食べてみたくなります。ぜひ、皆さんも『本郷ベーカリー』で、お気に入りのパンを見つけてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)