芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?

芦屋マダムの大好きなミンコロの味の秘密

芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?
揚げたてコロッケを通路のベンチで食べている人も(もちろん芦屋マダムではない)。

 さて、今回、取材依頼を受けて下さったのは、『あしや竹園芦屋本店』の店長、林賢二さん。

「但馬牛にこだわり続けてやってきたのですが、牛肉の価格が高騰して2倍以上になり、普通に買える値段ではなくなってきました。そこで、2年前から、黒毛和牛も扱うようになりました」と言う。とはいえ、「うちは小売店ですが、扱う肉はすべて競りで一頭買いしたものです。長年の信頼関係と、仕入れの目利き、そして職人の技術によって、確かな品質の肉を手の届く値段でご提供することで、『芦屋の台所』として、お客様に日々喜んでいただける店を目指しています」

そう、あくまでお客様目線。この姿勢こそが芦屋マダムに支持される理由なのだろう。

 続いて、「ミンコロ」のことを聞いてみた。

「うちのコロッケは、あんまり味を主張せず、『特徴がないのが特徴』とも言えます。それは、お母さんの手作り料理と一緒に食卓に並んだ時に、邪魔をせず、おいしく馴染むように、素材の良さを生かしてシンプルに仕上げているからです」

しかし、そのこだわりは半端ではない。

「材料のじゃがいもは、春は九州の新じゃが、夏は北海道の産地を南から北上して使うなど季節に合わせて最も美味しいものを使います。産地が変わることで味わいが変わるというのも、うちのコロッケの魅力の一つです。また、玉ねぎは日本各地のものを試し、地元兵庫県の『淡路産』を選びました。そこに伝統の目利きで選んだ牛肉と豚肉が加わって、甘さと旨味を引き立てます」

 さらに、ミンチカツは同様の玉ねぎと竹園の特選黒毛和牛を100%使用し、機械ではなく手でミンチの“もみ”をするので、旨味が出るのだそうだ。どちらもパン粉の衣は薄めで、あっさりと口当たり良く仕上げているとのこと。

 林さんのお話しを聞いて、「ミンコロ」が芦屋の老舗の肉屋さんならではの逸品だということをまざまざと思い知った。そして舌の肥えた芦屋マダムたちを並ばせる「ミンコロ」のすごさに改めて敬服した。今日こそは、1セットとはいわず思い切って家族の分3セットを買って帰ろうと決心した。

芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?

●SHOP INFO

店名:あしや竹園 芦屋本店

住:兵庫県芦屋市大原町10-1(ホテル竹園芦屋1F東側)
TEL:0797-22-4919
営:9:30~18:40
休:なし

●著者プロフィール

村上由香

神戸育ち・在住。安くて美味しいものに巡り会うのが幸せ。旅とアルパカが大好き。近々、子ども食堂を開設したいと構想中。