芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?

『あしや竹園』は兵庫県産但馬牛の老舗

芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?

 後日、「ミンコロ」の美味しさの秘密について、どうしても知りたくなり、『あしや竹園』の方にお話を聞くことを思い立った。だが、待てよ。お相手は肉の専門店の方。肉の知識がないままに行くのはよくないと思い、少し「肉のお勉強」をすることに。

 兵庫県のブランド牛で圧倒的に有名なのは「神戸ビーフ」である。いまや日本を代表するお肉だが、神戸に住んでいる者がみな、日常的に食べているわけではない。そもそも神戸ビーフは、普通のスーパーでは売っていないし、私だってよほどのイベントがない限り、食べられない。

 今回、筆者も初めて知ったのだが、神戸ビーフとは1983年にできた定義で、兵庫県産但馬牛のうち、厳しい認定基準をクリアした最高峰のものだそうだ。『あしや竹園』のロゴには“但馬牛御精肉”の文字が入っている。昭和21年に“但馬牛専門の精肉店”として創業して以来、「但馬牛」のネームをずっと大切にしてきたのである。

 つまり、「芦屋の台所」と称されるのは、こうした最高峰のお肉を熟知し、守り続け、芦屋のマダムの舌もうならせ続けてきたからなのである。

芦屋マダムが行列する精肉店の“ミンコロ”って?
但馬牛の特徴は、肉の繊維が細かく、脂がなめらかで、旨味があること。優れた資質から、品種改良のもと牛として子牛の頃に出荷され、松坂牛や近江牛などの有名ブランド牛へと変化をとげている。だが、「兵庫県産但馬牛」は、他府県牛と交配をせずに純血を守り続けている。