有楽町「交通会館」に残るレトロ喫茶『阿蘇』の「モーニングセット」がサラリーマンに愛される理由

有楽町「交通会館」に残るレトロ喫茶『阿蘇』で、心温まるモーニングを食べてきた
食楽web

 令和という新しい時代を迎えてから数ヶ月経つものの、平成からさらに時を遡り、昭和時代から続く「レトロ喫茶」は、今なおカフェのトレンドであり続けています。

 カウンター席のみの小さな店内はお一人様も馴染みやすい空間。そこに流れている音楽は昭和のヒット歌謡曲。そして、カウンター越しから気さくに話しかけてくれるママの存在。そんなアットホームなレトロ喫茶を体感しながら、オーソドックスなモーニングメニューを味わってみませんか?

 場所は有楽町駅前にある「東京交通会館」。その地下には、優しいママが温かくもてなしてくれる、昔ながらの喫茶店『阿蘇』がありました。

ママが出迎えるアットホームな雰囲気が人気

カウンター席のみの小さな店内。しかし、「そのほうがコミュニケーションが取りやすい」のだそう。
カウンター席のみの小さな店内。しかし、「そのほうがコミュニケーションが取りやすい」のだそう。

「東京交通会館」には、パスポートセンター以外にオフィスや画廊、イベントスペースがあり、喫茶店からレストラン、ラーメン屋、寿司屋、居酒屋に到るまでさまざまなジャンルの飲食店も入っています。

『阿蘇』は、そんな地下の飲食店街に立ち並ぶ喫茶店のひとつ。カウンターの中ではママとスタッフが手際よく立ち働いています。今年でなんと創業53年の老舗喫茶店ですが、現在のママが正式にお店を任されることになったのは、3年前に先代が引退されてからなのだそう。「もともとは、私もこのビルの上のフロアで働いていたんですよ」とママ。店名の由来でもある熊本県出身のオーナーは、もともとはママの仕事関係のお客様だったといいます。こんな風にいろんな縁が結ばれて、前職を定年退職後、お店を手伝うようになったのです。

「モーニングセット」は400円と破格!

 平日は朝7時半から営業しており、10時半まではモーニングサービスを利用できます。サラダ、厚切りのバタートースト、ゆで卵とコーヒーという、オーソドックスな朝食メニューは、素朴でありながらも間違いない美味しさ。まるでママの自宅で朝ごはんを食べているような、温かい気持ちになります。

店内は全面喫煙可。コーヒーとともに「ちょっと一服」を楽しむのにもぴったり
店内は全面喫煙可。コーヒーとともに「ちょっと一服」を楽しむのにもぴったり

 店内には同じビルで働くサラリーマンや常連客が多く、寝ぼけ眼でモーニングセットを食べ、ママに「いってらっしゃい」と見送られながら出て行くという、なんとも家庭的なシーンを目にすることも。「小さな店だからこそ、お客さんと家族のような関係にもなれるんですよね。ふれあい重視の接客をしたいんです」(ママ)。優しいママに見送られて、お腹だけでなく心も満たされること間違いなしですよ。

(取材・文◎藤間紗花)

●SHOP INFO

レトロ喫茶『阿蘇』外観

店名:阿蘇(ASO)

住:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
TEL:03-3213-4530
営:7:30~18:00、土曜9:30~17:30
休:日曜、祝祭日