明るいうちから営業している飲み屋がよりどりみどりの赤羽。昔は徹夜明けの労働者が、そして今は飲み歩きを楽しむ人などで、昼間から大勢の人が飲みに訪れます。
渋い名店が多い赤羽ですが、絶対に外せない店の一つが『立飲みいこい 本店』。午前11時からの営業、一人でも、初心者でも誰しもが入りやすく、酒もつまみも良心的な価格！ ということで、明るい時間帯から出かけてみました！
やってきたのは平日の昼前。オープンしてまだ小一時間程度ですが、すでに店内のカウンターは立ち飲みで埋まっていて、店頭のテーブルが1～2つ空いている程度。奥は常連客らしい雰囲気を漂わせる年配者が、手前は学生さん？ 観光客？ といった若いグループが楽しそうに飲んでいます。
カウンターの方には入れそうもないので、手前のテーブルでメニューをチェック。サッポロの生ビールは390円。ひとくち生ビール210円、なんてものも。一番安いのは「焼酎ハイボール」（200円）。といっても、「レモンサワー」（250円）、「ウーロンハイ」（250円）など、ほとんどのお酒が200円台。「黒ホッピー」（370円）で、外240円、中190円。嬉しくなる価格です。
さらに、＜一品＞のところを見ると。今度は100円台だらけ！ 「ポテトサラダ」や「お新香」、「玉ねぎスライス」は各110円、「おでん」3品が180円！ 他にも「切り干し大根」や「里芋の煮付け」、「ほうれん草の煮浸」しなど、お袋の味系つまみは各150円。これはすごい。せんべろどころか、ワンコインで余裕じゃん！
最コスパの組み合わせは「もつ煮込み」に「焼酎ハイボール」！？
あまりの価格破壊っぷりにどれにしようか真剣に悩んだ結果、店の一番人気の「もつ煮込み」と、「焼酎ハイボール」を注文。合計310円。しかも税込価格。ちょっとした店に入ったら、お通しだけで300円とかあるのに。
もつ煮込みは1日200～300杯も出る人気メニュー。味のベースは味噌で、白モツと野菜で、シンプルに作っているとのこと。早速一口！ もつのプリプリ、ネギのシャキシャキ、野菜のジュワッ、などを味噌が優しく包み込んでいる感じ。飲みにきたぞ～！ って気分をアップさせてくれます。
店のおすすめメニューは、赤い文字で書かれているので初めて来た人でもすぐわかります。煮込みと同じぐらい人気なのは「マグロの刺身」（130円）。他にも「野菜天ぷら」（160円）や「カキフライ」（180円）、「自家製チャーシュー」（160円）などが赤い文字で表記。もちろん、お酒も赤い文字で書かれたものがあります。
次は何を頼もうか、ニヤニヤメニューを見つつ、「焼酎ハイボール」を一口。すっきりした味が、煮込みの味を流し、さらに食欲をわかせます。焼酎と煮込み、立ち飲みでは鉄壁の組み合わせ。これで店の実力がわかるような気がします。
12時を過ぎると、さらに客が増えだし、店頭のテーブル席も4～5人できたグループ客が1つずつキープ、カウンター内もさっきより密度がアップしたような。とはいえ、1杯だけでさっと離れていく客も多く、長時間待つほどではありません。「いい感じで飲んで、ゆっくり帰ればOK。昔から立ち飲みはサッと飲んでスッと帰るもんだからね」と店長の西野善夫さん。なるほど、立ち飲みの流儀ですね。
店にはルールがあり、ケータイ使用禁止、会話はもちろん、酒やつまみを撮影するのも禁止です。そして“他人に迷惑をかけない”。他の客にからんだり、大声でギャーギャー盛り上がるのもアウト。隣の人に話しかけられたとしても、程よい距離を保つのがおすすめです。
ハイボールを飲みきり、次をどうしよう～、と思っていたところに、すごく嬉しそうな笑顔で入ろうとしてきた、年配のグループ客が来店。今回は空気を読んで1杯1皿で終了することに。結果、310円という飲み屋歴最強に安い金額でお会計。500円にもいかないとはっ！ 一人でも、そしていつでもフラッと入りやすい『立飲みいこい 本店』。実は赤羽南に『立飲みいこい 支店』もあり、ディープな雰囲気を楽しみたいなら支店、という声も。
次回は、厚揚げ焼き130円とか、穴子天ぷら180円とか、赤く書かれたメニューを軸に、それこそオープンの11時から来るぞ～！ とリベンジを誓ったのでした。
（撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子）
●SHOP INFO
店名：立飲みいこい 本店
住：東京都北区赤羽1-3-8
TEL：03-3901-5246
営：11：00～22：00
休：なし
