遠方からわざわざ通う肉好きもいるという『プリマベーラ』をご存知でしょうか？ お店があるのは、群馬県のブラジルタウンと呼ばれる大泉町。「東京からいちばん近いブラジル」として注目の大泉町に、多くの肉好きを唸らせてきたシェラスコ店があるというので、早速行ってみました。
都内からだと、浅草から東武鉄道で2時間足らずでブラジルタウンの玄関口である西小泉駅に到着。目指すお店は駅から徒歩7分ほど。駅周辺2km圏内にはブラジルの食材を扱うスーパーやレストランが点在しています。
シュラスコと多彩な食べ放題ビュッフェが楽しめるこちらのお店、串刺しされた肉が11種類、牛や豚バラ、鶏、ソーセージ、ハツなどの珍しい肉の数々がワイルドに塊のまま焼かれてテーブルへ運ばれます。ジューシーに焼かれた肉は、男性ウエイター「パサドール」が、好みの量を切り分けてくれる肉が、無限に提供されるおなじみのシステムなので、テーブルには肉の提供の許可・不許可を示すカードが置かれています。緑はOK、赤はストップの合図。お腹いっぱいになるまで、緑色のカードにしておきましょう。
肉は11種類、すべて食べ放題。牛肉はフィレ、ランプ、イチボ、リブ、ガーリックステーキの5種類。脂肪分が少ない肉や赤身、油がのったものなどそれぞれに味わい深い牛肉が楽しめます。ほかには、豚バラポーク、チキンのベーコン巻き、鶏のハツ、手羽先、オリジナルソーセージまで、バラエティに富んださまざまな肉も勢揃い。
こちらのシェラスコ、次から次へと肉が提供されるので、焼くだけの簡単な料理と思いきや、仕込みにはたっぷり4時間と、実はとっても手間ひまのかかる料理なのです。大きな肉の塊は下味をつけて寝かせて、さらに下焼き。考えてみたら、こんなに厚い肉をさっと焼いてすぐに提供…なんてそれは無理なこと。じっくりと下焼き、余熱で火を通す作業を繰り返し、開店時にちょうど良い焼き加減になるように調整していく丁寧な仕事が必要不可欠なのです。
こちらのお店で、珍しいのがパイナップル焼き。パイナップルを焼くの？ との疑問が浮かぶかもしれませんが、食べてみれば納得。お肉と合わせても爽やかな酸味がよく合い、最後に食べると肉の脂をサッと流してくれて、さっぱりとして美味しいんです。
ちなみに一番人気のお肉は希少部位「イチボ」。旨みがぎゅっと詰まった赤身で、やわらかな肉質が特徴。口の中でとろけるような感覚で、とってもジューシー。これを絶妙な火加減で焼き上げた塊り肉を、好きな分だけ切り分けてくれます。
カリっと焼き目のついた豚バラ肉は、牛とは違うベクトルの美味しさ。ジューシーで肉汁を閉じ込めた焼き上がりで、肉の旨みと甘味を感じます。肉は塊で焼くほうが絶対美味しいと再確認させてくれる肉です。
これだけ食べて、90分3,580円、120分で3,980円。ソフトクリームバーやドリンクバー付きなのもうれしい限り。お肉に合うカクテルやお酒もバー並みの充実ぶりで、食べても飲んでもイケるすごい店。土、日、祝日はランチもあるのでオススメです。都内から2時間足らずで行けるブラジルタウン。仕事始めの前にブラジルタウン巡りとおいしいシェラスコはいかがでしょうか。
●SHOP INFO
店名：プリマベーラ
住：群馬県邑楽郡大泉町西小泉3-2-15
TEL：0276-62-8607
営：17:00～23:00（L.O 22:30）、日曜17:00～21:30（L.O 21:00）、ランチ11:00～15:30 （L.O 14:30）※ランチは土日曜、祝祭日のみ営業
休：月曜
※価格は全て税別
●著者プロフィール
矢巻美穂
国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩きネパールへ」「とっておき！ 南台湾旅事情故事」「台北ナビが教えてくれる本当においしい台湾」「初めまして、東台湾。」がある。
