若者の街・渋谷のスクランブル交差点からBunkamuraの前までへ歩き、右折そして左折して細い路地を歩くと見えてくるのは向かい合った2軒のお店。右手は『女道場』、左手は『男道場』という看板が目にとまります。いずれも同じ系列のお店で『男道場』は鉄板焼きのお店です。一方『女道場』は鳥料理のお店。今回のお目当ては『女道場』の大山どりを使った「ひな鳥半身揚げ」(1,480円)です。
こちらの調理スタッフは全員女性です(男道場は全員男性スタッフ)。「女性の作る豪快な料理というのが売りなんですよ」とパティシエ歴もあるという料理長さん。オーダーから20分ほどで出てきた半身揚げは、その言葉通り豪快そのもの。見るからに食べごたえがありそうです。
セオリー通りにムネ肉から。モモ肉かと思ってしまうほどにやわらかくてうま味十分、そして肉汁もたっぷり。モモ肉はさらにやわらかくてうま味の中に甘みもあります。料理長さんによると「揚げる前に低温調理をしているんです」とのこと。肉の場合は低温調理をすることで肉質をよりジューシーにすることができるので、最近話題になっていますね。
黒七味を付けると味にコクがでます。さらにポイントなのが北海道産の“なまら塩”。天然昆布の旨みが詰まった塩として、こちらも最近人気ですね。肉汁があふれているところになまら塩を軽くふりかけると、肉のうま味、甘み、昆布のうま味に塩味が混ざった三位一体ならぬ“四位一体”の味になって食欲を刺激してくれます。
一方、「大山どりの唐揚げ」(680円)は、ショウガの風味豊かなからあげです。こちらもビックリするほどに肉がやわらかい!衣のサクッとした食感のすぐあとに迫って来る、マシュマロのようなやわらかさに脱帽!でした。
さて、こちらの半身揚げのポイントは低温調理です。半身揚げのお店はいくつも取材させていただきましたが、どちらもいろいろと工夫されています。半身揚げの世界は奥深いですね。
●SHOP INFO
店名:てっぺん渋谷女道場
住:東京都渋谷区宇田川町41-23 第二大久保ビル1F
TEL:03-5428-3698
営:17:00~24:00(L.O.23:00)
休:不定休
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。