まるで炭火焼きステーキのようなハンバーガー

メニューを見せていただくと、基本の「ハンバーガー」(980円)、「チェダーチーズバーガー」(1,130円)など全12種類。ベーシックなものもいいけれど、この店ならではの個性的な味が食べてみたいと思っていると、店主の高野さんが、「肉味噌を使ったゴーダミソミートバーガー(1,350円)やモッツァレラアヒージョバーガー(1,400円)は他店にはない組み合わせですよ」と教えてくれました。クラフトビールもいろいろあるようなので、お酒に合いそうな 「アヒージョバーガー」をオーダーしました。

まず高野さんが取り出したのは、直径15cm大の大きなパティ。よく見ると挽き肉というより、1枚のお肉のようにも見えます。
「使っているのはUSブラックアンガスの牛肩ロース(120g)です。一般的には機械でミンチにするのですが、食感を大切にしたいので、肉の塊を包丁でカットして、叩いて粗ミンチにし、なめらかに1枚にする製法をとっています」と言います。
そのパティに塩・胡椒をし、鉄板ではなく、炭火で網焼きに。すると、遠赤外線の効果でしょうか。肉汁がパティの中で溶け出して、最後はふっくらとしたハンバーグ状になってくるんです。そこにエリンギとベーコンのアヒージョを載せ、さらにモッツァレラチーズを載せて、チーズを溶かしていきます。ビーフステーキのような肉々しい香りが充満してきました。

オーブンでは、『峰屋』のバンズをこんがりと焼いておいて、そこに自家製のハニーマスタード・ドレッシングを塗っていきます。
ここからはバーガーの積み上げ。土台のバンズの上に、最初にグリルドオニオン、次にパティ(+エリンギとベーコンのアヒージョ+モッツァレラ)。その上にトマト、レタスの順で重ねて、最後に蓋のバンズを載せて約5分で完成。高さ15cmのダイナミックなシルエットです。

バーガーペーパーでくるみ、両手でつかんでかぶりついてみると、最初に炭火の香ばしいビーフパティがガツンと飛び込んできます。肉感はプルンプルン。口中に肉汁がほとばしり、極上の柔らかいステーキを食べたような気分になります。
しかし、よく考えてみると修業先のF.Hとはかなり印象が違うバーガーです。お肉の食感も違えば、積み方もF.Hは確か、一番下の具材がレタスだったような…。
「肉々しさを表現したかったので、パティの肉感が、最初に飛び込んでくるような積み方にしたくて、レタスは上の方に載せているんです。積み方が違うだけでも、だいぶ印象が変わりますよね」
なるほど、F.Hとは印象は全く違うバーガーですが、マスタードソース1つとっても手作りするという繊細さは、やはり、名店で修業を積んだ職人ならでは。

また、高野さんはクラフトビール店で修業した経験もあるそうで、バーガーにぴったり合うお薦めのビールを4~5種類が常時オンタップ。お店もNYの街角のバーのようなスタイルなので、気軽に一人飲みができそうな雰囲気です。
神保町の書店街の路地裏にあるので、本を片手にふらりと“バーガー飲み”してみてはいかが?
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:フォークバーガーズ&ビアーズ(folk burgers & beers)
住:東京都千代田区神田神保町2-8-1レフィール神保町1F
TEL:03-3511-3188
営:11:00~15:00(LO14:30)
17:00~22:00(LO21:30)
休:不定休
https://www.facebook.com/folkburger/