人は夏になると、なんでもいいから冷たいものを食べたくなります。冷やしラーメン、冷やしカレー、冷やしおでんなど、本来、温かくて美味しいものですら、「冷やし◯◯始めました」という文字に反応して、「逃してなるものかっ」と鼻息が荒くなります。中でも「冷やしかつ丼」はその極めつけと言っていいでしょう。
「冷やしカツ丼」は、そんじょそこらでは食べられません。とくに美味しい「冷やしかつ丼」は、創業56年のトンカツの名店『かつ吉』にしかないのです。
16年前の2002年、渋谷の『かつ吉』でこの世に誕生し、夏季限定にもかかわらず、これまでに13万食も売り上げた“怪物メニュー”なのです。
しかもこの店では、気温が上昇し始める5月中旬あたりから「冷やしかつ丼はじめました。」という告知がぶら下がり、お店の方が「もう暑くないな」と思ったあたりの9月中旬くらいで外すそうです。販売を終了したら、来年の夏までお預け。かくいう筆者も、これまで、その名物の「冷やしかつ丼」を食べ逃し続けてきたのです。そこで、「今年こそは」と意を決して行ってきました。