味付けは岩塩のみ!『鶏味座』のひな鶏の半身揚げは、もはや芸術品である

味付けは岩塩のみ!『鶏味座』のひな鶏の半身揚げは、もはや芸術品である
食楽web

ムネ肉がモモ肉みたいにジューシー?朝絞めひな鶏の素揚げが美味しい!

 表参道交差点から外苑前方向に少し歩き、小さな路地に入ると「鶏味座」と書かれた提灯が目にとまります。隠れ家的な雰囲気の漂うこちらが『青山 鶏味座 本店』。東京都の銘柄鶏・東京しゃもや、朝絞め鶏を使った料理や囲炉裏焼きが自慢のお店です。店内は薄暗いのですが、ムーディーでなんとなく大人の雰囲気。今回はこちらの名物「ひな鶏の半身揚げ」(1,580円)をいただくことにしました。

手羽先部分がそそり立った状態で供されます
手羽先部分がそそり立った状態で供されます

 朝絞めの厳選された国産ひなどりを使ったこの半身揚げ、衣も下味も付けずに揚げる素揚げです。味付けは塩のみとシンプルですが、素材の味を存分に楽しめます。モモ、ムネ、手羽先など、複数の部位がありますが、まずはセオリー通りにムネ肉から。ところがひと口目で「あ、間違えてモモ肉から食べちゃった…」。私としたことがうっかりミス。

 しかし料理長さんが「それ、ムネ肉ですよ」と笑っておっしゃいます。え! ムネ肉がこんなに柔らかくて濃厚な味なの? 驚きましたよ、一瞬モモ肉と思ってしまうほどのジューシーでコクのある味わい。こんなムネ肉は初めてかもしれません。当然、モモ肉も旨み十分で美味しい。

ムネ肉の断面。肉汁がじんわりと
ムネ肉の断面。肉汁がじんわりと

 唯一の味付けである塩は、普通の塩ではありません。少し多めにふりかけられているようですが、嫌なしょっぱさはなし。むしろまろやかで、食欲をそそる味です。聞けば「500万年前の海外の地層から採られた塩です」と料理長さん。なるほど、岩塩ですね。素材をシンプルな調理法で食べるときは、食塩よりも旨みのある岩塩が向いているとはよく言われることですが、確かにぴったりです。

 その岩塩に後押しされて、モモ肉、ムネ肉、手羽先までを一気に完食。最後にあのムネ肉の美味しさについて料理長さんに聞いてみました。「ムネ肉も調理法によっては格段に美味しくすることができるんです」とのこと。「その調理法って何ですか?」と、企業秘密の領域に踏み込んだ質問をしてみたのですが、料理長さんはにっこり微笑むと、そのまま厨房のほうに消えていきました。そ、それはそうですよね。これはもう、実際に食べて確かめてみてください!

●SHOP INFO

青山 鶏味座 本店  提灯

店名:青山 鶏味座 本店

住:東京都港区南青山3-12-4
TEL:03-5770-5039
営:11:30~16:00、17:30~23:00(22:00 LO、ドリンクは22:30)
  土・日・祝11:30~16:00、17:00~22:30(21:30 LO、ドリンクは22:00)
休:なし

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。