リブロースや豚トロまで!? 巣鴨のとんかつ店『亀かわ』で「一頭揚げ 亀かわ定食」を食べてきた

『亀かわ』のこだわりを料理長に聞く

 さて、すっかり堪能しきったところで、『亀かわ』のとんかつのおいしさに迫るべく、菊井料理長にお話を伺いました。

「使用している豚肉は、『甘熟豚 南国スイート』という鹿児島県産の白毛の三元豚で、都内で食べられる店はごくわずかです」(菊井料理長・以下同)

 飼育の仕方も特徴的で、パイン粕を混ぜた飼料を与え、通常6カ月の肥育期間を8カ月に延ばすことで、肉の熟成具合がより進むのだとか。あの肉と脂から感じられる甘みは、飼料や育て方の影響も大きいのですね。

 そして肉と同じくらい重要なパン粉。「『中屋パン粉工場』(東京・品川)の一番粗く、耳を除いたソフトタイプを使用しています。試行錯誤の末にたどり着いたもので、肉をしっかり包み込めて、スチーム状態を長く保ってくれます」と、こちらもこだわり抜いたもの。

一見、グッと押さえつけているように見えますが、とても繊細な力加減
一見、グッと押さえつけているように見えますが、とても繊細な力加減
寿司を握るような手つきで衣がふわっと立ち上がるように仕上げます
寿司を握るような手つきで衣がふわっと立ち上がるように仕上げます

「甘みの深い「南国スイート」の持ち味を活かすため、米油100%で揚げていきます。温度は約150度の低温に設定し、肉が縮まらないようにじっくり火を通すことで、衣はサクッと、中はしっとり柔らかく仕上げます。入れる順番は、メンチカツ、リブロース、ロースト、ヒレ、トントロを秒単位の差で油に入れ、揚げ上がりを同じタイミングになるように合わせています」(菊井料理長)

 約7~8分揚げ、油を切りながら蒸らします。この蒸らし時間がとんかつの味を決めると言っても過言ではないくらい重要な工程なのだとか。

 断面の上品な薄桃色と、表面をうっすら覆う肉汁は、低温調理で丁寧に仕上げた証。この肉汁は時間とともに、また肉の中へ戻ってしまうそうなので、“最もおいしい瞬間”を逃さぬようテーブルに運ばれて来たらすぐ口の中へ、をおすすめします!

(取材・文◎亀井亜衣子)

●SHOP INFO

とんかつ一頭揚げ 亀かわ 巣鴨本店 店内

店名:とんかつ一頭揚げ 亀かわ 巣鴨本店

住:東京都豊島区巣鴨4-19-8
TEL:03-6903-7029
営:平日 11:00~15:00(14:30L.O)、17:00~21:00(20:30L.O)
  土日祝 11:00~21:00(20:30L.O)
休:なし(年末年始除く)
https://tonkatsu-kamekawa.com/