まるで“情熱大陸”! 札幌の超人気ラーメン店『桑名』が東京に上陸

熟成味噌の深い味に感激

 さっそくお父さんと創り上げた『桑名』の味をいただかなくては! メニューは「味噌」「醤油」「塩」「とんこつ」とありますが、やはり、看板の「味噌」を食べてみたい、とお願いしました。

「味噌味」950円。鶏、豚のスープがベースとなる
「味噌味」950円。鶏、豚のスープがベースとなる

 黒い丼に、赤褐色のスープが入って登場しました。一口いただいてみると、なんとも優しい味。しょっぱすぎず、味噌の深い味がじんわりと響いてきます。そして玉子縮れ麺との絡まり具合も最高。長年、継ぎ足しているタレで煮て作るというチャーシューも含めて、丼の中の全てが渾然一体となってまろやかな味です。

 重すぎず、軽すぎず、素晴らしい塩梅。「本当に美味しいです!」とお母さんに伝えると、満面の笑みで「良かった、良かった、ありがとう!」と言われました。

お店の端に熟成味噌の瓶が4つ置かれています
お店の端に熟成味噌の瓶が4つ置かれています

 この「味噌らーめん」は純正無添加味噌を3ヶ月寝かして作るタレが決め手。創業当時にお父さんと一緒に完成させてから、レシピを変えていないと言います。

「いろんな味噌を試したり、熟成させるために合わせる野菜や果物などの種類もさんざん試しました。これが一番いいという材料を決めましたが、ただ混ぜただけではダメなんですよ。大鍋で火を入れながら1時間以上練るんです。これが一番大事で、絶対機械でやったらダメなんです」

 熟成味噌は、気温や湿度などの環境によって、配合や時間を変える必要があるそうで、ただ同じレシピではできるわけではないんです。

お母さんこと、高桑絵美子さん。今はお一人ですが、お孫さんが「おばあちゃんの味を継ぎたいと言ってくれました」と嬉しそう
お母さんこと、高桑絵美子さん。今はお一人ですが、お孫さんが「おばあちゃんの味を継ぎたいと言ってくれました」と嬉しそう

 華奢なお母さんが一人でやるなんてかなりの重労働だと思います。でも、スープもカエシもチャーシューも、お二人で作り上げてきた繊細な感覚で作るからこそ、丼の中のすべての味がピタリと決まるのだろうなと思う絶品の味でした。

カエシに入れる練り味噌の量は、お父さんが残したレシピの量を守っているそう
カエシに入れる練り味噌の量は、お父さんが残したレシピの量を守っているそう

 ところで、気になるのは、食べていない醤油、塩、とんこつ味。

「最初に味噌を食べた方が次に醤油にハマる人もいますし、とんこつにハマる人も。それからそればかり食べる方もいるんですよ。そうやって、お気に入りの味を見つけてくれたら嬉しいです」

「違う味も絶対に食べにきます!」と思わず言いました。が、また、美味しすぎる「味噌」にしてしまうかもしれません!

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

さっぽろらーめん 桑名 東京常盤台店

店名:さっぽろらーめん 桑名 東京常盤台店

住:東京都板橋区常盤台1-46-4 浜ビル1F
TEL:03-5970-6088
営:11:30~20:00(売り切れ次第終了)
休:水
http://www.sapporo-kuwana.co.jp/