死ぬまでに一度は食べたい新宿『王ろじ』の「とん丼」

最後にご紹介するのは、1921(大正10)年創業の老舗洋食屋『王ろじ』(新宿)の「とん丼」です。これは正確に言うと、カツ丼ではなく“とんかつカレー丼”です。
「とん丼」は、丼よりも少し小ぶりの丸いボウル風の器に入っていて、カレーライスの上に真ん丸いトンカツ半身が3切れ。さらにそのカツにソースがかかっています。

衣は厚めで、ザクザクとした食感。こんがり香ばしい。中の肉は豚ロースを丸めたような感じになっていて、柔らかくてふわふわしています。自家製ソースは玉ネギやフルーツの優しい甘さにスパイスが効いています。卓上の辛子をつけて食べると、ピリリと刺激的で、甘さと辛さのバランスが最高です。
![優しい味わいのカレールー[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/05/20240512-katsu10.jpg)
続いてカレーライス。とろみがあって、昔懐かしい感じのカレールー。でもきちんとスパイスが効いています。辛すぎず、甘すぎず、実に優しい味わい。とんかつと一緒に食べるとさらに美味しくなります。
『王ろじ』では、付け合せにお新香を出してくれるのですが、これがまたとんかつカレー丼と相性抜群でしみじみ美味しい。ありそうでない、唯一無二の「とん丼」です。
(撮影・文◎土原亜子)