りんご王国・弘前の醸造所で仕込んだ辛口シードル「GARUTSU」を飲んできた

りんご王国・弘前のまちなかの醸造所で仕込んだ辛口シードル「GARUTSU」を飲んできた
食楽web

「シードルの街」として盛り上がりをみせる青森県弘前市に昨秋オープンした「GARUTSU代官町醸造所」の訪問レポート。待望のファーストリリース「ひろさきアップルシードルGARUTSU」をご紹介します。超ドライな味わいに加え、解読不能なエチケットも話題です。

 リンゴのお酒「シードル」。近年、国内のシードル醸造所も増え、日本産シードルがじわじわと注目されています。

 りんご王国・弘前(青森県)では、県内醸造のシードルやリンゴのお酒が一同に会する「リンゴ酒感謝祭」「りんご酒グランプリ」といったイベントも数多く開催され、「シードルの街」として盛り上がっています。

 昨秋、「弘前ハウスワイン・シードル特区」で果実酒製造免許を取得し、自社醸造をスタートした「GARUTSU代官町醸造所」を訪ね、醸造兼営業担当の櫻庭真衣さんにお話を伺いました。

 シードルといえばフルーティでスイートな印象ですが、「ひろさきアップルシードルGARUTSU」はアルコール度数9%と超ドライ! 櫻庭さん曰く「たんげ辛口で、わんつかつぇぐしたさげですよ」。ん? なになに? 辛口が、なに? 辛口で、どうした?

「つまりどういう意味かといいますと……。エチケットにシードルの特徴が書かれているんですが、津軽弁なんです。ちなみにさっきのセリフを翻訳すると、“とっても辛口で、少し強めのお酒”という意味です。

 さて、シードルは甘い食前酒というイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、GARUTSUは口当たりもさっぱりしていて、食事と合わせても飲み続けられるお酒に仕上げています」(櫻庭さん・以下同)

「エチケットにも書いていますが、相性のいい食べものは海でとれだめぇ物です。一例としては、白子、なまこだの磯のかまりっこしてらめぇ物。あ、訳しますと、海で獲れた美味しいもの、そして、白子やなまこなど、磯の香りがする美味しいものとよく合う、という意味です」

 つまり、GARUTSUはシーフードと相性のいいシードルなんですね。とはいえ、魚介類数あれど白子になまことは随分マニアックなマッチング! と思いましたが、青森の郷土料理「じゃっぱ汁(鱈のあら汁)」に使われるのは多くの場合、鱈。白子が登場するのも納得です。

 そしてなまこ。こちらも日常的な食べものとも思えないし、どちらかというと日本酒に合わせたい珍味の部類。ですが、青森はなまこの産地であり、とくに陸奥湾で育ったブランドなまこ「横浜なまこ」はとても希少です。ちなみに、なぜ青森なのに横浜? と少々紛らわしいですが、なまこの産地である横浜町(よこはままち)という地名に由来しています。いずれにしても白子、なまこ共に青森を代表する海の幸なのです。

「もちろん、白子となまこだけではなく、いろいろなシーフードと楽しんでいただければ。そして、海の幸と一緒にシードルを飲めば、はぁーこいだば最高だじゃ! となるわけです」

 上の画像をご覧ください。エチケットの文末にしっかり書いてありますね。シーフードとシードルのマッチング、嗚呼、これはもう最高! ってことです。ところでラベルの冒頭にある「わぁ弘前のまじながっこさ、醸造所やっちゃーんだいな」のことをまだ伺っていませんでした。