りんご王国・弘前の醸造所で仕込んだ辛口シードル「GARUTSU」を飲んできた

いざ試飲!気になるその味わいは?

 というわけで、ヒアリング難解な方言ともいわれる津軽弁で書かれたシードルのエチケットを読み解きながら、シードルと食べ物のベストマッチングについてうかがいました。

 ここからはエチケット冒頭にある「わぁ弘前のまじながっこさ、醸造所やっちゃーんだいな」について。どうやらこの冒頭の一節が醸造所のキーワードのようです。早速、櫻庭さんに聞いてみましょう。

「簡単に言うと“弘前のまちなかにある醸造所”という意味です。醸造所というと郊外にあるイメージですが、ここは最寄りの主要駅であるJR弘前駅からも徒歩圏内。醸造所はカフェ&バーに併設されていて、仕込み中であれば店内の窓越しに醸造の様子を見ることもできます」

 訪問したときはちょうどボトリングの最中でした。シードルが完成するまでのすべての工程がここで行われています。使用するのはもちろん弘前産のリンゴ。圧搾した果汁に酵母を入れ、タンクで発酵させ、温度を確かめ、度数を見極めながらアルコール度数9%のシードルに仕上げていきます。

「できたてのフレッシュな樽生ドライシードルが飲めるのはここだけです。ときどき驚く方もいますが、ここでは氷を入れたグラスにタップで注ぐスタイルで提供しています。早い話がシードルのロックです」

 では、さっそくいただいてみましょう。ほのかにリンゴの甘い香りが鼻に抜け、味わいはなかなかドライです。リンゴ独特の酸味も感じられ、すっきりドライ。いや、さっぱりドライ。何口飲み進めてもなにかしらのドライさが口の中を通過していく感じです。すーっと口に流し込め、アルコール度数9%とは思えません。市販のアルコール飲料ならばストロング系の仲間入りですが、リンゴで醸したお酒とあって果実感がほとばしります。食中酒になるシードルという意味がわかりました。

「初回出荷分は『つがる』という品種を使っています。以降も『ジョナゴールド』『ふじ』『王林』など、弘前産のリンゴにこだわって仕込んでいます。それに、姫リンゴの『アルプス乙女』だけで仕込んだシードル、それに次いでアップルワインも販売中です。

 また、まちなかにあるという強みを生かして週末限定で醸造所内の見学会を始めました。醸造担当スタッフが醸造設備をご案内しながら、シードルづくりについて説明します。見学後はきっとシードルがもっと身近な飲み物に感じられると思いますよ」

 りんご王国・弘前のまちなかの醸造所で仕込んだ辛口シードル「GARUTSU」。シードル愛飲家もシードルビギナーさんもぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

(取材・文◎笹森ゆうみ)

●DATA

GARUTSU(ガルツ)代官町醸造所

住:青森県弘前市代官町13-1
TEL:0172-55-6170

「代官町café & bar」
営:18:00~24:00(23:00L.O.)
休:月曜

※醸造所内見学会は毎週土・日(13:00~18:00)。4月頃まで開催予定。有料試飲(各300円)、ボトル販売あり。

●INFORMATION

GARUTSU代官町醸造所・シードルセミナー&懇親会

GARUTSU代官町醸造所オープン記念イベントが都内で開催されます。辛口シードルGARUTSUはじめ、リリースされたばかりのアップルワインの試飲も。詳細はFacebookイベントページにて。

日時:2月27日(火)19:30~22:30
料金:4,500円
会場:食のショールーム・パルズ
  (東京都港区六本木6-8-17 クリエートJビル3F)