謎多き中東の激ウマごはん「マクルーバ」とは? 神楽坂の人気エジプト料理店で食べてきた

マクルーバの正解が知りたい

前菜の盛り合わせ(ファラフェル、ババガヌーシュ、フムス、ピタパン)。コロッケのようなファラフェルはひよこ豆を使う場合が多いが、エジプト風はそら豆。ババガヌーシュはナス、フムスはひよこ豆のペースト。これをピタパンにつけたり挟んで食す
前菜の盛り合わせ(ファラフェル、ババガヌーシュ、フムス、ピタパン)。コロッケのようなファラフェルはひよこ豆を使う場合が多いが、エジプト風はそら豆。ババガヌーシュはナス、フムスはひよこ豆のペースト。これをピタパンにつけたり挟んで食す

 今回オーダーしたのは、マクルーバがメインのコース(3850円)。ソフトドリンクもついています。なお、アルコール飲料は扱っていません。

 中東料理はコースで5000円以上の店が多いのでこれはかなりリーズナブルと言えるでしょう。オーナーのイブラヒムさんの「エジプトの家庭料理を気軽に食べて欲しい」という思いから、できるだけ安い価格設定にしているそうです。

「マクルーバ」の意味はアラビア語で「ひっくり返す」

マクルーバ(約3人前)この日は8人分でこの大きさのものが3皿登場
マクルーバ(約3人前)この日は8人分でこの大きさのものが3皿登場

 さて、いよいよ主役のマクルーバがやってきました! イブラヒムさんがボウルに入れたマクルーバを持ってきて、お皿を被せて勢いよくひっくり返してドーム型に盛り付けてくれます。

 アラビア語で「マクルーバ」の意味は「ひっくり返す」。マクルーバは店によって味付けも具材も違いますが、この「鍋底に茄子を敷いてご飯を炊いてひっくり返す」というところは共通しています。ひっくり返した後に、野菜をトッピングして華やかに飾りつけ。

肉はラム肉とチキンのミックス
肉はラム肉とチキンのミックス

 マクルーバに入れる肉は、ラム肉かチキンで選べますが、今回は両方入れたミックスにしてもらいました。ラム肉も柔らかくておいしい! 

 米は長粒種のバスマティライスを使うビリヤニと違い、粒の小さい日本米です。これも店によって違うのですが、マクルーバの場合は日本米を使う店が多いようです。

米は日本米(ジャポニカ米)
米は日本米(ジャポニカ米)

 味付けは、やさしくスパイスが香る程度で、全然辛くありません。シナモンの香りが強いのが特徴です。たっぷり入ったにんじん、玉ねぎなどの野菜の甘さが効いていて、優しいおいしさ。

 日本の炊き込みご飯とも似ていて、親しみやすいので、刺激の強いエスニック料理が苦手な人でもきっと好きになるはず。たっぷりあったのにあっという間に完食しました!

アラビックコーヒー(コースに含む。単品だと400円)
アラビックコーヒー(コースに含む。単品だと400円)

 食後のアラビックコーヒーは専用のポットで一人分ずつ淹れてくれます。カルダモンなどのスパイスが効いたヨルダン産のコーヒーです。約2杯分入ったポットでサービスされるのでお代わりできるのも嬉しい。

ムハラビーヤ
ムハラビーヤ

 デザートはムハラビーヤ。通常は冷やして提供するのですが、ちょうど新しいものができたタイミングで「出来立ての温かいのもあるよ! おいしいよ」とのことだったので温かいほうをいただきました。ほんのり甘くスパイスが香る牛乳のプリンのようなスイーツでした。

 一度マクルーバを食べてみたい! と思った人は、ぜひディナーコースを予約して行ってみてください。おいしいですよ!

●SHOP INFO

店名:アラビックカフェ&デリ アブ・イサーム(arabic cafe&Deli Abu Essam)

住:東京都 新宿区矢来町111-1 Y’s Kagurazaka 101
TEL:03-5946-8014
営:11:00~15:00、16:00~22:00
休:火曜

●著者プロフィール

工藤真衣子
Photographer:人物を中心に様々な媒体で撮影。グラビア、インタビュー、プロフィール、ドラマ映画スチールなど。ライター:食レポ、レシピ記事は現地系異国メシ、珍しい食材、味のある店など個人的に好きな店や料理を紹介。新宿御苑前で写真館「スタジオ アトリーチェ」経営。