田中一明のラーメン官僚主義!【第6回】麺屋さくら井【三鷹】

麺屋さくら井【三鷹】
食楽web

最強クラスの鶏清湯ラーメンが武蔵野の地に爆誕!丼から漂う一流の風格

JR三鷹駅から徒歩15分強。目に映える木の葉の色に心奪われながら歩みを進めていくと、やがて、武蔵野の情緒が漂う閑静な住宅地にたどり着く。そんな趣深い地に、2016年11月に誕生した新店が『麺屋さくら井』だ。

店主である櫻井氏は、都内屈指の実力店として知られる『麺処ほん田』の出身。ここ数年、『ほん田』で修業した方々が立て続けに独立開業。総じて、ハイレベルなラーメンを提供する優良店として高い支持を得ており、ラーメン好きの間で話題となっている。

加えて、こちらの櫻井店主は、修業先の単なる模倣とは一線を画した味を創り出すことに見事に成功。これもひとえに、「修業先の味にこだわらず、自分がベストだと信じる味を食べ手に提供したい」という信念のなせる業だ。

現在、『さくら井』が提供するのは、「らぁ麺(醤油)」「らぁ麺(塩)」「煮干らぁ麺」の3種類だが、そんな店主の信念は、基本メニューである「らぁ麺(醤油)」にも余すところなく投影されている。

スープには、博多の郷土料理「水炊き鍋」の品質向上を図るために開発された「はかた地鶏」(※1)のガラを存分に使用。加えて、大山鶏の丸鶏を用いることで、圧倒的な分量のイノシン酸を蓄えた鶏スープを開発。そのスープに、昆布のグルタミン酸、椎茸のグアニル酸などを豊富に含むスープを注ぎ込むことにより、前代未聞のうま味の三重奏を実現。

滋賀の濃口・和歌山の生揚げ・島根の再仕込みなど、6種類の醤油をブレンドした醤油ダレによって、日本刀のように鋭利なキレ味が生み出され、鶏油をはじめ、動物系の油を適量滴らせることによって、大宇宙のように豊かなコクが生み出される。

三河屋製麺製の細ストレート麺も、「このスープにしてこの麺あり」の絶品。滑らかな麺肌が喉元を通過する刹那、フワリと立ち上るスープの香りに、食べ手はしばし忘我の境地に陥ってしまうに違いない。

オープンしてから間もない現時点においても、数十食ずつ用意される3種類のラーメンが、営業時間内に全て完売する盛況ぶり(※2)。味が良いラーメンは数多あるが、丼から風格が漂う程の1杯に出逢える機会は滅多にない。万難を排して駆け付けるべき、2016年最強クラスの実力店だ。

・・・・・・・

(※1)はかた地鶏とは?
福岡県の郷土料理である「水炊き鍋」のクオリティをより一層向上させるために開発された、福岡県産の地鶏。作出する際に、うま味が豊かなことで有名な軍鶏(シャモ)を掛け合わせている。

(※2)特に「煮干らぁ麺」は、40~50杯用意しても、昼営業の段階で完売してしまう程の人気を誇る(2016年11月現在)。「煮干らぁ麺」がお目当ての方は、昼営業の時間帯に訪問するのが吉だろう。

・・・・・・・

●SHOP INFO

麺屋さくら井【三鷹】

店名:麺屋さくら井【三鷹】

住:東京都武蔵野市西久保2-15-27
TEL:なし
営:11:30〜14:30 18:00〜21:00
※火曜・日曜・祭日は昼のみ営業
休:水曜休み
http://www.io-sacra.com/ramenmenu.html
らぁ麺(醤油)、らぁ麺(塩)は共に780円、らぁ麺(煮干し)は800円

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。現在までの通算杯数は8,000杯を超える。