【神戸グルメ】常連客が震災から守った昭和の味。老舗洋食『グリル一平』の「スパゲティ・イタリアン」

熱々の鉄板でいただく名物「スパゲティ・イタリアン」

1600円
1600円

 オムライスやビーフシチュー、ハンバーグといった王道の洋食メニューもありますが、創業当時から人気なのが熱々の鉄板で提供される「スパゲティ・イタリアン」。壁に飾られた有名人の写真やサインを見ながら待っていると、もくもくと湯気を立たせた一皿が登場しました。

 直径22mmもあるという太めのスパゲティの上にたっぷりの粉チーズがかかっていて、その下には生卵が隠れています。具材はマッシュルームとピーマン、グリンピース、玉ねぎ、そしてゴロッと塊になったひき肉。

4代にわたって受け継がれる秘伝のレシピ。デミグラスソースが決め手! [食楽web]
4代にわたって受け継がれる秘伝のレシピ。デミグラスソースが決め手! [食楽web]

 ベースは濃厚なトマトの風味。秘伝のレッドソースとデミグラスソースを使っており、ナポリタンとミートソースの両方をいいとこ取りしたような逸品です。

 同店の代名詞ともいえるデミグラスソースは、淡路島産玉ねぎなどの野菜とお肉をじっくり煮込み、5日以上かけて作っているそう。トマトの酸味や甘み、ほんのりビターなデミグラスが、もっちもちの太麺にしっかり絡んでいてやみつきになります。

 続いては、卵と粉チーズを絡めて食べてみましょう。

ジュージューと焼ける音がたまらない
ジュージューと焼ける音がたまらない

 卵のコクとまろやかさ、チーズの濃厚な風味が加わりまた違った味わいに。時間が経つにつれて火が通り、白身はプルッと卵黄はとろりと食感に変わります。食べ進めていくと鉄板に当たっているスパゲティがこんがり焼けてきて、それもまた良いんです。タイミングや混ぜ方によっていろいろな味が楽しめました。

 ちなみにこの「スパゲティ・イタリアン」は、白ご飯と一緒に食べるのも人気なのだとか。今回は単体でいただきましたが、濃厚な味付けなのでご飯との相性が良いのも納得です。

地域と共に歩み続ける老舗の味

活気あふれるオープンキッチン
活気あふれるオープンキッチン

『グリル一平』の料理は“最高のデミグラスソースを最も美味しく味わうための洋食”なのだそう。創業から70年以上、時代を超えて愛され続ける味の背景には、丁寧な仕込みと変わらぬ味へのこだわり、そして何より地域の人々との固い絆がありました。

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO
グリル一平 新開地本店
TEL:078-575-2073
住:兵庫県神戸市兵庫区新開地2丁目5-5 リオ神戸 2F
営:11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00〜20:00(L.O.19:30)
https://grill-ippei.co.jp/