世界中でブームの兆し!5分でわかる「クラフトジン」講座

専門店も増えてきて、話題の「クラフトジン」。これって、いったいどんなお酒? 昔ながらのジンとは違うの? そう思っている人も少なくないはず。難しいことはちょっと横においといて、ここでは世界を魅了するクラフトジンについて簡単にご紹介します。

今まさに、世界的な
ジンブームのまっただ中です

今まさに、世界的なジンブームのまっただ中です

食楽web

 ジンと言えばカクテルに使う酒というイメージで、ちょっとパッとしない(失礼!)と思ってないでしょうか? ところが、このところジンはブーム到来といわれていて、実は世界的に注目の的。本場ロンドンではスモールバッチ(少量生産)の高級ジンを作る蒸留所がどんどん増殖しているほど。

 こうしたジンは少量生産でしか生まれないクオリティや独創的な造り、味わいを追求しており、「クラフトジン」の呼び名で親しまれるようになっているのです。

英国だけでなく、
世界中で作られています

英国だけでなく、世界中で作られています

 ジンの起源は諸説あり、オランダともイタリアとも言われています。オランダからイギリスへ持ち込まれ、洗練されたロンドン・ドライ・ジンとなったことで、一般的にイギリスのイメージが強いですが、ジンは今や世界中で造られています。

 いま注目のエリアは、まずドイツ。ブームをけん引する「モンキー47」(47のスパイスを配合したプレミアム・ドライ・ジン)を生み出したドイツのジンは、その完成度の高さが特徴。また、個性あふれるアメリカ、エキサイティングなジンがゴロゴロ登場するスペインも目が離せないし、ジンブームが加速する英国も外せない。そして、我が日本も初のジン専門蒸留所が登場するなど、話題を呼んでいます。

キーワードは
「ボタニカル」

キーワードは「ボタニカル」

 ジンに欠かせないジュニパーベリーをはじめ、風味をつけるスパイスやハーブは「ボタニカル」と呼ばれています。これがジンの個性を決めるカギ。使われるのはコリアンダーやアニス、フェンネルなどの種子、アンジェリカやリコリスなどの根っこ、柑橘類の果皮などがあり、そのレシピはそれぞれ違います。すべてを加えて蒸留する方法もあるが、スパイス、ハーブなどいくつかに分けて蒸留し、最後にブレンドして味を調える造り方も存在します。

作り方は、
フリースタイル!

作り方は、フリースタイル!

 ジンの魅力をひと言でいえばとにかく“自由”なこと。大まかな定義はジュニパーベリー(ジンの香りの元になるセイヨウネズという低木の果実を乾燥させたスパイス)を必ず使うことだけ。とてもシンプルです。ベースとなるスピリッツの原料にも決まりがなく、その土地に根差したもので造られるから、バリエーションも豊富です。オランダやイギリスでは穀物が多かったり、スペインやフランスではぶどうが使われたり、林檎のブランデーであるカルヴァドスのメーカーが造るものもあったり。ちなみに日本のジン「季の美」は米から造られています。

 ジンはベースのスピリッツと一緒にハーブやスパイスなどを蒸留しますが、後からワインや日本酒を加えたり、ワインの樽で風味をつけるなど、やんちゃなスタイルも許容されています。そこがまた、たまらなく面白いのです。

で、どうやって
飲むのがおすすめ?

で、どうやって飲むのがおすすめ?

 ジントニック、ギムレット、マティーニ、ジンリッキー……数多いジンのカクテルも素晴らしいし、クラフトジンの個性に合わせて作られたオリジナルカクテルも捨てがたい。でもクラフトジンは、シンプルにその魅力を引き出せるのがいいところ。ストレートはもとより、ロックやトゥワイスアップ、トニックウォーターやソーダ割りなど、気軽なスタイルもおすすめ。つまりクラフトジンは飲み方もとっても自由なんです。

(取材・文◎岡本ジュン)