【クラフトビール】今すぐ行くべきビアパブ&レストラン2017

昨今、都内に続々と増え続けるクラフトビールを楽しめるお店。その中から今回は、タダ者ではない個性がぎゅぎゅっと詰まったコンセプチュアルな“ニュースなお店”を、編集部が厳選してご紹介!

噂のマイクロ・ブリュワリー

KAMIKATZ TAPROOM@東京・東麻布

左から「ポータースタウト」、「ペールエール」、「ルーヴェンホワイト」各800円

左から「ポータースタウト」、「ペールエール」、「ルーヴェンホワイト」各800円 | 食楽web

 ゴミゼロを目指すゼロ・ウェイスト・タウンとして注目の徳島県・上勝町。そこにある「ライズアンドウィン ブルーイングカンパニー カミカツ タップルーム」が2016年4月、東京へやってきた。上勝町は人口わずか約1700人という小さな街。そのうちほぼ半数が60歳以上という高齢化地域。ここで何が起こったかというと、2003年に日本で初めて「ゼロ・ウエイスト宣言」をしたのだ。

 そこからごみを出さない買い物を提案する「上勝百貨店」が生まれ、次に「もっと来た人を喜ばせるには?」と頭を捻って考えた結果、辿り着いたのがブリュワリーだったとか。アメリカ人醸造家ライアン・ジョーンズ氏をディレクターに迎え、本格的なビール造りが始まった。

 東京店では、3種類のオリジナルビールの他、ゲストビールに日本やアメリカのブリュワリーのものが登場。メニューはビールによく合う肉料理がメイン。看板料理は骨付きのもも肉を使った「徳島産すだち鶏の骨つきBBQチキン」だ。

 上勝町から運んだ古い建具やボトルを再利用したランプシェードなど、店内はゼロ・ウェイストなアプローチ。ビールを飲みながら、たまにはサステナブルな未来について考えてみるのもいいのかも。

(左)「徳島産すだち鶏の骨つきBBQチキン」1,500円、「鳴門金時のフレンチフライ」700円。(右)スタッフの和田さん

(左)「徳島産すだち鶏の骨つきBBQチキン」1,500円、「鳴門金時のフレンチフライ」700円。(右)スタッフの和田さん

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KAMIKATZ TAPROOM(カミカツ タップルーム)

店名:KAMIKATZ TAPROOM(カミカツ タップルーム)

住:東京都港区東麻布1-4-2 THE WORKERS & CO1F
TEL:03-6441-3800
営:12:00~15:00(14:30LO) 18:00~23:00(22:30LO)
休:日曜
個室/なし カード/可
http://www.kamikatz.jp/ja/taproom.html

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デ・ドレ醸造所の樽生を
飲める世界でも稀少な場所

ウルビアマン@東京・秋葉原

(左)「ウルビア」ボトルは1,330円。「デ・ドレ印のウルビアパテ」は「ウルビア」のジュレが添えてある。(右)「アラビア」1,100円はボリューム感ある味わい。「お任せお肉のグリル盛り合わせ3種」は3,000円。

(左)「ウルビア」ボトルは1,330円。「デ・ドレ印のウルビアパテ」は「ウルビア」のジュレが添えてある。(右)「アラビア」1,100円はボリューム感ある味わい。「お任せお肉のグリル盛り合わせ3種」は3,000円。

 1980年に、ベルギー西フランダース州で弁護士・医者・建築家の3兄弟が趣味で創業したと言われるデ・ドレ醸造所。当時は珍しかった、煮沸時のみならず発酵段階でもホップを投入するビールは、あとを引く苦みと豊潤な味わいで、世界のビールファンの話題に。しかし醸造量が限られるため、ベルギー以外でお目にかかれることは滅多になかった。

 が、今年4月オープンのこちらでは、デ・ドレ醸造所の「ウルビア」「アラビア」を樽生で味わうことができる。「同醸造所併設のバー以外で、常時どちらかをオンタップするのは、世界でも当店くらいでは」と話す店長の須藤 聡さん。ちなみに店名に含まれる「ウルビア」は、フランダースレッドビールの酵母を使用した、酸味とモルト感が印象的なビールだ。

 他に樽生は最大20種、ボトルは約90種と様々な味わいのベルギービールが揃う。食事も多彩ゆえ、腰を据えて、ベルギービールの歴史と今を体感することができる。

「ボスクン」などデ・ドレ醸造所のボトルビールも豊富に揃う

「ボスクン」などデ・ドレ醸造所のボトルビールも豊富に揃う

●SHOP INFO

ウルビアマン

店名:ウルビアマン

住:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX1F
TEL:03-3526-2321
営:11:00~23:00(22:30LO) 水・木・金・土11:00~24:00(23:30LO)
休:無休
予算/3,500円 個室/なし カード/可
http://www.dedollebrouwers.jp/

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若い醸造所と限定のビール
思い切ったセレクトが光る

淡島倉庫@東京・池ノ上

淡島倉庫@東京・池ノ上

「プルドポーク」S750円。煮込んだ豚肩ロースをBBQソースで和える。ビールは「マルカ ホワイトIPA」

 愛知「ヒャッパブリュー」や大阪「マルカ」など〈本日のタップ〉の品書きには創業して2、3年の新しい醸造所の名前が並ぶ。「伊勢角屋麦酒」などの定番メーカーからは期間限定ビールをセレクト。「駅から歩いて10分以上の立地。わざわざ来た甲斐があった、と思ってもらえる品揃えにしたくて」と店主の永田幹之さんは話す。最大5タップなら、普通は定番ビールで埋まりそうだが、他ではあまり見かけない銘柄を、とこだわって仕入れている。

 交通の便は悪いが閑静な淡島の地に惹かれ、昨年8月に開業。思い切った品揃えが功を奏し、店はクラフトビール愛好家が集う場所に。今では逆に、お客から醸造家を紹介してもらい、新たなビールを取り寄せることもあるという。

 最近では店の賑わいにひかれ、地元の人の来店も。初めてIPAを飲んで、虜になる人も多いとか。アメリカンダイナー仕込みの永田さんの手料理も楽しみに、足を運ぶローカルが増えている。

中央の「京都醸造 黒潮の如く」は飲みやすいスタウト。左は「ヒャッパブリュー 岡崎嬢」、右は「マルカ ホワイトIPA」

中央の「京都醸造 黒潮の如く」は飲みやすいスタウト。左は「ヒャッパブリュー 岡崎嬢」、右は「マルカ ホワイトIPA」

●SHOP INFO

淡島倉庫

店名:淡島倉庫

住:東京都世田谷区代沢4-34-12 淡島マンション1F
TEL:03-6804-0799
営:18:00~翌2:00 土・日・祝15:00~翌2:00
休:なし
予算/2,500円 個室/なし カード/不可

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古きに新しきを取り入れた
ドイツビールの今を感じに

ドイツビールバー BAKU-YA@東京・神田

ドイツビールバー BAKU-YA@東京・神田

(左)ムード漂う店内。(右)左が「クルーリパブリック ドランクンセイラー」S(260ml)950円。2011年創業の醸造所“バイリッシュIPA”。右はラーデベルガー ピルスナー」S750円

 アメリカのマイクロブルワリーに端を発する昨今の世界的なクラフトビール人気。ドイツビールといえば日本各地の『オクトーバーフェスト』は人気だが、やや変化に乏しい印象も否めない。

 しかし2016年3月に開店したこの店には「ジャーマンバーレーワイン」の文字。〈ビール純粋令〉でがちがちに縛られがちなドイツの醸造家が手がける、英国スタイルを踏襲した新たな造り。ペールエールも柑橘薫る華やかな味わいだ。ただ口内にモルトの甘みが漂うのは、さすがドイツビールといえる。

 店主の吉澤雄二さんはドイツビールに触れるうちに、こうした新たな造り手の存在を伝えたいと思うように。しかし伝統あっての革新ゆえに、ドイツスタイルを中心に8タップを展開するが、必ず先鋭的な醸造家の樽も繋ぐ。

「古きも新しきも、マイスターの思いは変わりません」。職人の作品を120%の状態で提供したいという吉澤さんの店は、ビール激戦区・神田で異彩を放つ存在だ。

「フラムクーヘン」950円

「フラムクーヘン」950円

●SHOP INFO

ドイツビールバー BAKU-YA

店名:ドイツビールバー BAKU-YA

住:東京都千代田区鍛冶町1-7-17 三新鍛冶町ビル102
TEL:03-3527-1808
営:17:00~翌3:00 土17:00~24:00
休:日・祝
予算/3,500円 個室/なし カード/可

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