働く妙齢男女が直面する「野菜を摂らなきゃ」プレッシャーも何のその。楽しくおいしく、野菜で飲めれば最高! と、酒に合う野菜のおつまみ、通称“ベジつまみ”を提案。外食好き&料理ベタの酒飲み女性ライターが、マクロビ料理家・丸さんの指南を受けつつお届けします。
仕事帰りに立ち寄る、終電間際のスーパー。すでに在庫がスカスカになった食材コーナーを前に「何を作ればいいのだ?」と途方にくれた経験はないだろうか。まがりなりにも食にまつわる記事など書いている身。「旬のものをおいしくいただきましょう」とか、提唱したいところだけれども現実問題、今夜の私が入手できるのはピーマン、なす、もやし、きのこ類など、いつでもある定番野菜だけらしい。旬とか関係なく買えるのはありがたい。でもこれは生活の進化なのか、それとも季節の喜びを人間が忘れた結果なのか。
……なんて小難しいことを考えつつ、買えるものをテキトーに買ってきたのであるが、さて、これらをどう酒の肴にするべきか。そそくさと丸さんにメールしてみる。
「なすがあるなら、甘めの味噌味でしぎ焼き風にしては? ほっくり温かい味ですよ」。
なんでも、めんつゆとごま油で風味づけしたなすに、砂糖でコクを出したお味噌で味つけするとのこと。
「手順がシンプルなぶん、切ったなすを水に10分つけてアク抜きすると風味に違いが出ます。ピーマンは食感に変化をつけるため、色が変わる程度の固めでOK」。
一番初めになすを切り、他の準備をしている間にアク抜きをすれば手間いらず。フライパンを火にかけたら、あとは順に焼くだけと調理はあっという間。味噌の芳ばしい香りが食欲をかき立てる。
さて、実食。なすに染みこんだ甘い味噌が口の中でジュワッと広がる。濃厚ではあるが、固めに焼いたピーマンのシャキシャキと、しめじのこりっとした食感があるからくどくない。なるほどのバランスだ。日本酒も合いそうだが、すでに夜更けは越えている。冷蔵庫で出番を待つ冷えたビールと一緒に、サクッといただきますか。
しめじとなす、ピーマンのしぎ焼き
材料(2人分)
・なす……2本
・ピーマン……2個
・しめじ……50g
・ショウガ……1かけ
・万能ねぎ(小ねぎ)……適量
・ごま油……適量
☆味噌……大さじ1
☆砂糖……小さじ1~1.5
☆めんつゆ……大さじ2
作り方
1.なすはヘタを取り、食べやすい大きさにカットする。ピーマンは薄切りに。しめじは石づきをカットし、食べやすい大きさにほぐしておく。ショウガはそぎ切り、万能ねぎはみじん切りに。
2.鍋に火をかけ、大さじ3分のごま油をひき、ショウガを炒める。香りが出始めたら豚ばら肉、なすの順に入れる。
3.なすが柔らかくなるまで火が通ったら、具材をいったん取り出す。空いた鍋にごま油大さじ2を足し、しめじとピーマンを炒める。
4.【3】で取り出した材料を鍋に戻し、☆の材料を入れて全体に味が行きわたるよう炒める。皿に取り出し、仕上げに万能ねぎを振りかけて完成。
●プロフィール
料理監修/丸さん こと 丸山翔
埼玉県出身、東京在住。鉄板焼き料理人、マクロビオテックセラピスト。スケートボードライダーを経て料理修業を開始。自身の店を開店後、現在は野菜や自然食を得意とする半農料理人として出張居酒屋などのイベントも開催。トランスセクシャルとしてLGBTのサポート活動も行う。
HP: http://okonomimaru-sk8.wixsite.com/marusuke-kitchen
写真・文/木内アキ
北海道出身、東京在住。”オンナが楽しく暮らすこと”をテーマに、雑紙や書籍、ウェブなどで人・旅・暮らしにフォーカスした文章を執筆。好きなつまみは氷頭。目標は「きちんとした自由人」。執筆活動の傍ら、夫と共に少数民族の手仕事雑貨を扱うアトリエショップ『ノマディックラフト』を運営中。
HP: http://take-root.jp/