猛暑も収まり、ようやく秋らしくなってきました。秋といえば「収穫の秋」、そして「食欲の秋」――秋本番に向けて、さまざまな旬の食材との出会いを心待ちにしている皆さんも多いのではないでしょうか。
秋が旬となる食材は数多いですが、中でも代表格といえるのが、日本人の主食である「米」。日本酒の原料となる酒造好適米(酒米)も、同様に収穫を迎え、その後、本格的な仕込みの時期を迎えます。こうしたことから、酒造家の中では10月1日を「酒造元旦」として祝う風習もあり、1978年にこの日が「日本酒の日」として制定されました。
実は10月1日が「日本酒の日」となった由来は他にも諸説あると言われています。有力なのが、中国の古代の天文学、暦学から生まれた十二支から来たという説。十二支は本来、月の記号で、ご存じのとおり、日本では十二種の動物と関連づけられました。その10番目の「酉(とり)」は壺の形を表わす象形文字であって、酒を意味することから、10月が「日本酒の日」になったというワケです。こうした由来を紐解いてみるのも面白いですよね。
味と香りで分かれる4つのタイプを知れば、日本酒がさらに美味しい!
そんな日本酒ですが、「味わい」と「香り」で大きく以下の4つのタイプに分別されることを知っていましたか?
・[フルーティなタイプ]吟醸酒など
・[熟成タイプ]古酒や熟成酒など
・[軽快でなめらかタイプ]生酒や本醸造酒など
・[コクのあるタイプ]純米酒など
食中酒として料理と一緒に飲まれることが多い日本酒の場合、タイプによって料理との相性が大きく変わります。つまり相性が良い日本酒と料理を合わせれば、お互いの美味しさを引き上げてくれるというワケです。そこで今回は、4つのタイプ別に相性の良い料理とそのレシピをご紹介!
[フルーティなタイプ]×はまぐりの酒蒸し
はまぐりに含まれるコハク酸と、日本酒に含まれるグルタミン酸が 旨みを互いに引き出してくれます。貝柱の食感もポイント。優しい味わいなのに深みも楽しめるおつまみです。
材料(2人分)
・はまぐり……8個
・日本酒……100ml
・醤油……少々
・あさつき……適量
作り方
1.はまぐりは塩水に約30分浸し、砂抜きをして流水でよく洗い流しておく。あさつきはみじん切りにする。
2.フライパンにはまぐりを入れ、日本酒を振りかけ、蓋をして加熱。全てのはまぐりの口が開いたら、醤油をたらし、器に盛付け、あさつきを散らす。
[熟成タイプ]×豆腐田楽
味噌と木綿豆腐というダブルの大豆で、良質なたんぱく質や話題の大豆イソフラボンなど、多くの栄養素が詰まったおつまみ。濃厚な味付けに、しっかりとした味わいや香りの熟成タイプがマッチします。
材料(2人分)
・木綿豆腐……1丁(350g)
・七味……少々
・すだち……1個
(A)
・赤みそ……25g
・日本酒……50ml
・砂糖……20g
・本みりん……小さじ1
作り方
1.小鍋に(A)を入れて加熱し、照りが出るまでよく練る。
2.木綿豆腐は水切りし、6等分に切って串に刺し、テフロン加工のフライパンで両面焼く。
3.焼き色が付いたら器に盛りつけて(A)を塗り、七味を振り、四等分に切ったすだち2切れを添える。
[軽快でなめらかタイプ]×ぶりの照焼き
ぶりは、たんぱく質や脂質、ビタミンのほか、脳や神経に存在するDHAなども含まれる栄養豊富な食材。脂ののったぶりの旨みとさっぱりとした日本酒はまさに相性抜群です。
材料(2人分)
・ぶり(切り身)……2切
・日本酒……小さじ1
・小麦粉……大さじ1
・ししとう……4本
・サラダ油……大さじ1/2
(A)
・醤油……大さじ2
・日本酒……大さじ2
・本みりん……大さじ2
・砂糖……大さじ1
作り方
1.ぶりに日本酒を振りかけ15分おく。キッチンペーパーで水気を取り、小麦粉を全体に薄くふる。ししとうは爪楊枝で穴を数か所あけておく。
2.フライパンにサラダ油を熱し、ししとうを入れて焼き取り出しておく。同じフライパンにぶりを入れ、中火できれいな焼色がつくまで加熱する。
3.フライパン内の余分な水分をキッチンペーパーで拭き取り、よく混ぜ合わせた(A)を加えて煮絡める。ししとうと一緒に器に盛り付ける。
[コクのあるタイプ]×かぼちゃとベーコンのガーリックソテー
ガーリックバターとしょうゆの風味がコク深い日本酒と相性抜群な一品。かぼちゃは、抗酸化作用のあるビタミンAやEが豊富、ベーコンには糖代謝やアルコール代謝にも関与するビタミンB1が多く含まれるなど、栄養的にも◎です。
材料(2人分)
・かぼちゃ……200g
・厚切りベーコン……60g
・バター……20g
・おろしにんにく……小さじ1
・醤油……小さじ2
作り方
1.かぼちゃは7mm厚さのくし形に、ベーコンは1cm幅に切る。
2.フライパンにバターと 1、おろしにんにくを入れ、蓋をしめて蒸し焼きにする。途中でかぼちゃは裏返し、火が通ったら醤油を回しかけ、味を絡めて器に盛る。
以上、日本酒タイプ別に相性の良いおつまみを選んでみましたが、いかがでしたでしょうか。皆さんもあれこれペアリングを試してみて、 “ベストマッチおつまみ”を発見してみてください。
「日本酒の日」に向けたイベントやキャンペーンで日本酒の魅力を再発見!
ここまで日本酒についての知識や楽しみ方について、少しご紹介してみましたが、日本酒の魅力は、まだまだこんなものではありません。そんな日本酒の奥深い世界に興味を持った方に朗報です。
実は日本酒造組合中央会では、10月1日「日本酒の日」を迎えるにあたって、9月23日(祝・金)から10月2日(日)までの期間を「日本酒で乾杯!WEEK」と称し、さまざまなキャンペーンを実施! Twitterをフォロー&リツイートすれば、抽選でオリジナルQUOカードPayが当たったり、日本酒を2000円分購入すれば、抽選で日本全国の地酒が1本当たるなど、内容も多彩なので、ぜひキャンペーンに参加してみてはいかがでしょうか。
そしてさらに10月1日の「日本酒の日」当日には、スペシャルゲストを迎えた「日本酒で乾杯!」スペシャルイベントをYouTube LIVEにて配信決定(18時~19時40分予定)! 日本酒好きのゲストの皆さんが繰り広げるトークショーや日本酒クイズ、さらに日本酒に合うおつまみレシピの実演など盛りだくさんの内容なので日本酒好きならずとも必見ですよ。
来たるべき「日本酒の日」を控え、各種イベントが行われるなど、これから注目を集めること必至の日本酒。この機会に皆さんも、日本酒の知識をより深めて、そして味わって、“日本の國酒”の魅力を楽しみながら再発見してください!