口やかましい腹ぺこピープル達を、問答無用のハイクオリティ揚げたてメニューで借りてきた猫のように大人しくさせてしまう人気丼チェーン『かつや』では、ただ今期間限定の新メニュー「カツ煮冷やしそば」を提供中です。
カツをメインメニューに据えている『かつや』からすれば、本来「カツ丼とミニそばのセット」になるのが普通というか自然。なのに、今回は敢えてカツをご飯ではなく冷やしそばの上に乗せ、さらに半ご飯を別添えにするという、何ともユニークというか発想の転換にもほどってものがあるでしょ! な構成となっております。
果たしてどんな味わいとなっているのか、さっそく最寄りの『かつや』にて実食を敢行、そのテイストを確かめてみることにしましたよ!
店員さんにオーダーを告げてから、約4分ほどでメニューが着丼。そばが伸びないうちにさっさといただくことにします。箸でそばを手繰ってずずずっ…しっかりとした固さで歯切れがよく、そばの風味もちゃんと感じられます。
色味とそば殻の小さい粒が見えるのも含め、そば粉の割合が結構多めなのかもしれません。そばと一緒に口へと入ってくるつゆは、思った以上に甘くて濃い目。出汁感はさほど強くなく、いうなれば“カツ丼のつゆ寄りな味わい”となっています。
続いてはそばの具材にポジションを変えたカツ煮。つゆが染みたところとまだサクサク感が残っているところの食感のコントラスト、揚げ立ての温かさが残る豚ロース、とじた玉子、全体をまとめる形となるつゆの味わいがいい感じでマッチしてます。
そのまま食べても、また別添えの半ご飯に乗せてカツ丼風にしてもまあ美味いこと。そりゃそうだ、これが本来の『かつや』スタイルなわけですもんね。
せっかくなのでカツ煮だけでなくそばもご飯に乗せて、家飯でよくやっている“そばライス”を楽しんだり、カツ煮とそばを一緒に食べたり、つゆだけを飲んでみたら意外と後引く美味しさで止まらなくなったりと、普通に美味しくいただいちゃってることに気が付きながら無事に完食です。ごちそうさま!
カツ煮はそば、ご飯、単独と、どう食べても不変の美味しさ。そばも伸びることもなく、最後までしっかりとした食感とそば自体の風味を感じさせるハイクオリティな仕様でした。出汁感こそ乏しかったものの、つゆもカツ煮とそばの両者に合うような味わいでした。
また、ボリュームに関しても“そば多めの半ご飯”が重すぎず軽すぎないバランスの取れた分量で、メニューの売り文句である“食べやすさと食べ応えの両方を叶える”を、ちゃんとクリアしていたように思います。
ただ、『かつや』のメニューといえばご飯をガツガツ進ませてこそ…の印象があるせいか、そばがメインで半ご飯はボリュームを補うサブのポジションになっていることが、美味しいよりも先に強い違和感が来てしまいました。それは『かつや』がわざわざ自分のスタイルを崩してまでやることじゃないでしょうというか。うーん、ここが今回のメニューに対する評価の大きな分岐点になりそうですね。
とはいえ、美味しいかどうかと問われれば「美味しいです」と迷わず答えられる一品。『かつや』でその味わいを楽しむとともに、ご自身で感じたメニューへの印象についても思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
●DATA
カツ煮冷やしそば
期間:2022年9月2日(金)~ ※期間限定・なくなり次第終了
販売:一部店舗を除く全国の『かつや』
https://www.arclandservice.co.jp/katsuya/
※店内飲食限定メニュー
※価格は全て税込
※店舗により価格が異なる場合あり