鰻を捌く、焼く、職人技が圧巻! 風情あふれる鰻店『川豊』

成田は、利根川や印旛沼の川魚が豊富に採れる地域でした。そのため、昔から現在に至るまで、成田グルメといえば“鰻”といわれるほど、参道には約60店もの鰻店が並んでいます。

その中で一際存在感を放っているのが、明治43年創業の「川豊(かわとよ) 本店」。3代目が後を継ぎ、来年で110年目を迎えるこの店は、平日の昼時でも1時間待ちになる日も珍しくないほど客足が途絶えません。表参道に漂う香ばしい香りに誘われ足を止めると、職人が手際よく鰻を捌き、丹念に焼きあげる姿を見ることができます。

趣のある建物はその昔、「旅籠」として活用されていたもの。門前町の風情を感じながら、鰻を堪能できるのも人気の秘訣です。1、2階の広い座敷スペースに腰掛け、川魚のつまみが付いたビールや日本酒をいただきながら、「うな重」が出てくるのを待ちます。

待ってました! スタッフがテキパキと働くこの店は、客入りまで計算され尽くされ、そんなに待たずに「うな重」がテーブルに出されます。鰻はその時の最高のものを目利きで仕入れており、現在は鹿児島県大隅産や愛知県三河産の鰻を主に使用しています。

ふっくらとした鰻は箸でスッと切れて、口の中でほろほろと崩れ、とろける食感。これはウマい! 創業から継ぎ足し続けた伝統のタレは甘すぎず、コクがあり、鰻の旨味もよく感じられます。

店先の捌きたての鰻に串を打ち、サッと白焼きしてから蒸し器で蒸して余分な脂を落とし、旨味だけを残して蒲焼にする……。すべては職人の経験による絶妙なタイミングでなされるからこそ、この食感、旨味が生きているのです。
●SHOP INFO
店名:川豊 本店
住:千葉県成田市仲町386
TEL:0476-22-2711
営:10:00~17:00(L.O.)
休:なし(不定休あり)