現在、東京・上野の東京都美術館で開催中の「BENTO おべんとう展─食べる・集う・つながるデザイン」。おべんとうと聞いてすかさず百貨店の催事でおなじみの駅弁フェアを連想してしまいました。誰にでもお弁当の思い出や好みの駅弁があるのではないでしょうか。
本展は日本独自の食文化であり、人と人をつなぐ「おべんとう」をコミュニケーション・デザインの視点から捉え、来場者自身が見て、聞いて、触れられる参加体験型の展覧会です。
たくさんある見どころの中でも興味深いのは江戸時代から昭和・現代までのお弁当箱の展示。ユニークなデザインが施された江戸時代のお弁当箱は豪勢すぎて呆気にとられます。もやはカラクリ細工の域! ほかにも遊び心満載のお弁当箱など、中身を想像しながら見る楽しさがあります。
さらに、オランダ在住のイーティング・デザイナーであるマライエ・フォーゲルサングをはじめ、NHK番組「サラメシ」でも有名なお弁当ハンターで写真家の阿部了、発酵デザイナーの小倉ヒラクらをはじめとした現代の作家たちのインスタレーション、参加型の作品も興趣に満ちています。
行楽の秋とはよく言ったもので、暑さも落ち着き、過ごしやすい季節。お弁当を作るか買うかは読者の皆さんの腕次第ですが、お弁当を持ってピクニックにでかけるもよし、駅弁を調達して旅に出るもよし。展示を観た後は無性にお弁当が恋しくなるはずです。会期は10月8日(月・祝)まで。
●DATA
「BENTO おべんとう展─食べる・集う・つながるデザイン」
会期:7月21日(土)~10月8日(月・祝)
9:30〜17:30(金曜日〜20:00)
いずれも入室は閉室の30分前まで
会場:東京都美術館ギャラリーA・B・C
料金:一般 800円、ほか
http://bento.tobikan.jp