できたての温度、味と香りを堪能する「できたてとうふ」

ぷるぷる、つるるんとしたこちらの寄せ豆腐が、併設するイートインスペースでしか味わえない「できたてとうふ」です。できたての温かい豆腐を味わえる機会ってなかなかないですよね。
広く流通することのない希少な大豆が原料となるため、時期により使用する大豆は変わるそうですが、この日使われていたのは宮城県産の「香り豆」。畑に小さな花が咲くと辺り一帯に枝豆の匂いが広がるそうで、「畑でビールジョッキ持ったら、この香りだけで飲めますよ」と浅沼さん。
そっとすくって口に運ぶと、何もつけなくても美味しい! 豆腐の、大豆の味がちゃんとするんです。半分ほど食べたところで添えられている藻塩をふると、甘みがより引き立ってさらに美味。スプーンを持つ手が止まりません。
なめらかでコク深く、風味豊かな「青大豆とうふ」

どことなく青みがかった色合いのこちら、2019年の全国豆腐品評会 寄せ豆腐部門で見事銀賞に輝いた「青大豆とうふ」です。
新潟県の在来種「越後娘」をベースに、もう一種の大豆をブレンドすることで、甘みと香りがいい塩梅になるよう仕上げているそう。口中にしみこむようななめらかな舌触り、後から追いかけてくる甘さと香り、青大豆をしみじみ味わいたくなる寄せ豆腐です。
せっかくの品のある味わいが消されてしまうので、醤油はかけずそのままか、添付の藻塩でいただくのがおすすめです。
上品なスイーツのような甘さにびっくり!「汲み上げ湯葉」

筆者がキャンプにテイクアウトして、あまりの美味しさにびっくりしたのがこの「汲み上げ湯葉」。最初口に含んだ感想は、え? 甘い。まるで上品なスイーツのような味わいで、それが大豆だけの甘みと知って二度驚きました。

工房では、豆乳の表面にできた湯葉を引き上げる作業が繰り返し行われていましたが、順々に引き上げを進めた、最後の最後にとれる湯葉がこの湯葉です。5~6時間ゆっくり煮詰めることで豆乳からタンパク質が抜けていき、大豆の糖だけが凝縮されるため、この甘さになるのだとか。
そのままでもわさび醤油でもいけますが、意外にポン酢醤油が合うと聞いて試してみました。確かに! 大豆の甘みにほのかな酸味と旨みが加わって、ワンランク上の味わいが楽しめます。