今やすっかり日本に根づいた感のある「キムチ」。スーパーやコンビニなど、どこででも買うことができますが、その味は千差万別。お気に入りを見つけるのは、意外と至難の技でもあります。
筆者が一番気に入っているキムチ屋は、デパ地下などを中心に店を展開している『韓美膳(ハンビジェ)DERI by沈菜館』。レストラン『沈菜館』を母体とする韓国惣菜のお店です。味噌や醤油と同様、ここのキムチがないと気持ちが落ち着かないので、常に冷蔵庫にストックしています。
こちらのキムチは、韓国英陽産の唐辛子と日本産の野菜を使用していて、すべて手づくり。白菜、大根、キュウリもシャキシャキで、なんと言っても漬けダレの特製ヤンニョム(韓国の合わせ調味料)がものすごく奥深い味なのです。
そのまま食べても最高ですが、焼肉の時に一緒に焼いたり、豚肉・鶏肉、チャーハンなどを炒める時の調味料として使っても美味。味に奥行きが出て、旨みが一気に上がるので、非常に重宝しています。
つい先日も、キムチ補充のために荻窪ルミネにある『韓美膳』に行ってみると、ちょうど前にいたお客さんとお店のスタッフさんの会話が耳に飛び込んできました。
お客「これ、本当に美味しい。でも春限定だからすぐなくなっちゃうでしょ?」
店員「そうなんです。しかも入荷してもすぐに売り切れてしまうんですよ」
お客「え? じゃあ次回はいつ入ってくるの?」
店員「それが、実は私たちもわからなくて……」
お客「じゃ、まとめてたくさん買って行くわ」
そのお客さんが指差す先にある商品を目で追うと、そこには丸いかたちのキムチが。ん?椎茸? マッシュルーム? なんだこれ? よく目を凝らすと、なんと「梅キムチ」と書いてあります。そして確かに「春限定」とのコピーが。
店員さんに聞いたら、特大サイズの紀州南高梅蜂蜜漬けを、特製ヤンニョムに漬け込んだものなんだそう。つまり梅干しのキムチなんですね。
梅×キムチ。筆者は食べたこともなければ、聞いたのも初めて。白菜、大根、キュウリと言った淡白な味×キムチならわかりますが、梅干し自体がハッキリした味の食材なので、どんな味なのか気になります。
日本人なので、梅干しの味は想像できます。パブロフの犬のごとく、見ただけで唾液が出てきます。でも、ここにキムチという要素が加わるとどんな味になるのか、やや混乱してきます。そこで筆者も「梅キムチ」を200g即買いして帰宅。実際に食べてみることにしました。