名物のメンチ三兄弟の味わいは?

スコッチエッグも、ポークメンチも、コロッケも、少々時間が経ってから食べたにも関わらず、脂っこい感じがせず、中の肉の味に高級感があります。ソースをかけなくても旨みたっぷり。まるでレストランで食べるような上質なフライなのです。そこで改めて、『大野屋牛肉店』のフライの美味しさの秘訣をお店の方に聞いてみることにしました。

店長の藤森福治さんによると、『大野屋牛肉店』は約70年以上前に創業。以前は、とんかつ屋さんも併設していたそうですが、今のような揚げ物が名物の肉の販売店スタイルになったのは20年ほど前。
「肉屋なので、ビーフメンチには松坂牛や黒毛和牛、コロッケやポークメンチには埼玉県や茨城県のブランド豚などから、揚げ物に最適な部位を厳選して使用しています。また大きな特徴としては、揚げ油です。豚のお腹の脂を挽肉にして、それを炊いてラードにした揚げ油にしているんですよ」
藤森さんがその挽肉を見せてくれました。大きなビニール袋に入ったそれは、薄いピンクで、新鮮そのもの! 1日30kgも使用するそう。

ちなみにパン粉は、常連さんのリクエストもあって、あまり口中への攻撃性の高くない細かめのものを使用しているんだとか。上品な衣と上質なお肉。そして新鮮な油。美味しい理由がよくわかった気がします。
なお、こちらのお店ではお弁当も販売しており、イチオシは、好きなおかずを詰め合わせることができるお弁当「ごはんセット」です。ここにぜひメンチ三兄弟を並べてみたくなります。

偶然のコロッケとの遭遇でしたが、次回は、わざわざ目がけて行きたいと思います。今度は、オリジナルのソーセージやフランクフルト、ベーコンなど大量買いしたいと決意。皆さんもぜひ、神楽坂散策のついでに『大野屋牛肉店』に足を運んでみてください。
(撮影・文◎土原亜子)