商店街の肉屋で売られているコロッケには、人を惹き付けてやまないものすごい魅力があると思いませんか? こんがり揚がった茶色い衣が視界に入ると、つい立ち止まって、お腹が空いてもいないのに、1個買ってその場で食べてしまう……。まさに不要不急のカロリー摂取です。でも、こうした商店街での「コロッケとの遭遇」を体験している人は多いと思います。
先日、まさに筆者は東京・神楽坂の商店街でその予期せぬ遭遇をしてしまいました。お昼過ぎ、牛丼を食べたばかりでお腹いっぱいなのに、『大野屋牛肉店』という肉屋の前を通りかかってしまったのです。その店のガラスケースは、あろうことか一面、フライ。茶色のカラコンをつけたかのごとく、視界はこんがりきつね色の衣一色になり、催眠術にかかったように体が固まってしまいました。ついさっき牛丼を食べた記憶はふっ飛び、あれもこれも食べたい!
でもここは冷静に、牛肉店なのでメンチにしよう、と「ビーフメンチ」(260円)を1個買ってみたのです。手渡されただけで、牛肉の上品かつジューシーな香りが立ちこめます。ひとかじりすると、カリッカリの衣の中から、ゴロゴロした牛肉ミンチと甘い玉ネギ。食感はホクホクとしていて、牛肉の肉汁の甘みがじんわりと口中に広がっていきます。これは確実に、自分史上最高ランクのメンチです。
そこで、他の商品もテイクアウトをしたくなり、お店の方にオススメを聞いてみると、1番売れているのはコロッケで、平日で1日200個以上も出るんだとか。また、この店の名物は「スコッチエッグ」、さらに「ビーフメンチ」、「ポークメンチ」。この3つは “メンチ三兄弟”として大人気なんだそうです。もう、全部買っちゃいました。