白小豆と書いて「しろしょうず」。小豆は「あずき」と読みますが、白小豆は「しろあずき」ではなく「しろしょうず」というのが一般的なのだそうです。聞きなれぬ響きに「しろしょうず? いったい何者? 妖怪かなにか?」と思った方もいるのではないでしょうか。
ここで素朴な疑問。白小豆って白あんの材料……ですよね?
「多くの和菓子屋さんの白あんは白小豆ではなく白手亡(白いんげん豆)が原材料の白あんが圧倒的多数です。もちろんこだわりのお店では白小豆を使った白あんもありますが、なにしろ白小豆は栽培が難しく、希少で高価。白小豆本来の美味しさが味わえる和菓子って実は少ないかもしれません」
そう話してくださったのは「しろしょうず」になみなみならぬ思いを抱く居山哲也さん。静岡・沼津を代表する菓舗『いせや本店』の四代目として老舗の暖簾を守りながら、和菓子の新たな世界を追求し続けています。
ちなみに『いせや本店』といえば、沼津を舞台とする歌舞伎の登場人物にちなんだ「平作もなか」が有名ですが、今回ご紹介するのは新作「TABERU COFFEE 珈琲最中」。
白小豆にマスカルポーネを加えた餡と珈琲生地の最中の皮を組み合わせた最中です。白小豆+マスカルポーネ+珈琲。後者ふたつの組み合わせだけならティラミスを連想しますが、いったいどんなお味なのでしょうか。