【食楽検証】松屋の「カレギュウ」とすき家の「牛カレー」はどう違う? 食べ比べてみたらカレーの方向性が全然違って驚いた!

スパイス尖り系と、スパイスまろやか系

松屋のカレーソースは黒々としています
松屋のカレーソースは黒々としています

 さっそく松屋の「カレギュウ」から実食。黒くてとろりとしたカレーソースを口にした途端、ガツンとニンニクの香りとコクが襲ってきます。そして牛丼屋さんのカレーとは思えないキレッキレのスパイス感。予想以上に本格的でしっかり辛く、どことなくウスターソースのようなツンとした感じも。

 無理やり例えると、いわゆる南インド系のカレーが今ほど一般的ではなかった頃に、カレーづくりが趣味の人が自宅でスパイスを調合して作っていたような、割に尖った欧風カレーソースといった印象です。ご飯と一緒に食べるとそのツンとした感じが少し穏やかになって、濃厚さが際立ちます。

松屋の牛めしとカレーは合うのか?
松屋の牛めしとカレーは合うのか?

 ただし、玉ネギと煮汁多めの牛めしの肉と一緒に食べてみると、カレーのインパクトが強烈すぎて、牛めしの肉の旨さをすべて消し去ってしまいます。むしろ、くし切りした玉ネギが大きすぎて口の端に当たって汚れたり、肉の脂身がモニョモニョと残ったりするのが気になります。

 だったらカレーライスだけで食べたほうが美味しいし、牛めしは牛めしとして食べたほうがイイ。つまり、カレーは優秀だけど、牛めしと一緒に食べるとイマイチかも、というのが正直な感想でした。

すき家の「牛カレー」700円
すき家の「牛カレー」700円

 続いて、すき家の「牛カレー」も食べてみます。こちらは松屋に比べるとカレーの色は黒くはありませんが、とろみ具合はほぼ同じ。

 そして、まずはご飯にだけかけて食べてみると、穏やかな味で、さほど辛くはありません。とはいえ、スパイス感はちゃんとあります。松屋ほど尖ってはおらず、バランスが取れたスパイス使いです。そして、カレーソースの中に入っている細かな肉のダシでしょうか、まろやかなコクも感じられ、なんとなくシチューのような雰囲気も漂わせています。松屋に比べると、万人受けするタイプと言えると思います。

すき家のカレーと牛丼は合うのか?
すき家のカレーと牛丼は合うのか?

 そのカレーとご飯だけでも十分に美味しいのですが、肉も一緒に食べてみると馴染み具合もけっこうイイ! まさしく“牛カレー”という名前にふさわしいトッピングです。また、松屋に比べると、玉ネギが小さくてクタクタしているのも、筆者にとっては主張が強すぎず、いい感じだと思いました。

検証結果

 というわけで結論です。松屋のカレーは美味しいけれど、牛めしにかけて「カレギュウ」にしてもカレーが強すぎて牛肉の良さが伝わってこない。一方のすき家は、カレーも美味しいうえ、牛丼にかけて「牛カレー」にしても食べやすく違和感がない。全体的なバランスが良いこともあって、すき家のほうに軍配を上げたいと思いました。もちろん、あくまでも個人的な感想です。

 というわけで、冒頭のキャップ男子とメガネ男子のように、牛丼屋カレー論争は好みもあるのでなかなか決着をつけるのは難しいところ。みなさんはどちらの牛丼カレーが好きですか?

(撮影・文◎土原亜子)