暑い日には「冷やしカップヌードル」がオススメ! 冷やして一番美味しいのはどの味なのか?

冷製にして美味しいカップヌードルはどれだ?

 というわけで「冷やしカップヌードル杯」開幕です。用意するのは熱湯とたくさんの氷。ルールは各カップに熱湯を注いで3分間待ち、麺がふやけた瞬間に大量の氷を投入して冷たくして食べ比べるというもの。より美味しいものが勝ちです。

大量の氷を用意しておきます
大量の氷を用意しておきます

 ただし、どれも氷を入れるとスープが薄まることを想定して、熱湯は規定よりやや少なめの量を入れます。目安としては、麺がひたるくらいとします。

氷で薄まることを想定し、注ぐ熱湯の量は、麺が浸る程度の少なめにしました
氷で薄まることを想定し、注ぐ熱湯の量は、麺が浸る程度の少なめにしました

 待つこと3分。出来上がった各カップを箸でかき混ぜてから、一気に氷を投入して冷やしていきます。コーヒーをアイスコーヒーにするような要領ですね。一番手は大好きな「シーフードヌードル」です。

冷製シーフードヌードル
冷製シーフードヌードル

 まずはスープから。見た目は見慣れた白濁スープですが、キンキンに冷えていて、いつも食べているシーフードヌードルよりキリリとした旨みが感じられます。油のギトギト感もなくて、どこか穏やかな味わい。なるほど、カップヌードルは冷製にしても美味しい、これは確実なようです。しかも暑苦しくないのがイイ。しかし、シーフードヌードルの場合、いかんせん味が平坦すぎて、半分くらいからやや食べ飽きてしまいました。

 続いて「チリトマトヌードル」。名前を見ただけでなんだかイイ感じです。というのも、冷やしトマトはそのまま食べても美味しいし、世の中には冷製トマトパスタとかガスパチョといった冷製トマト料理があります。トマト味は冷やしても絶対美味しいハズ。

冷製チリトマトヌードル
冷製チリトマトヌードル

 予想どおり、ひと口スープを飲んでみると、ひんやりしたスープにトマトの酸味、チリソースの辛味、そしてスープのコクも加わって、なかなか美味しい! “酸味・辛味・旨味”という3つのポイントが、冷やすと通常よりくっきり際立ちます。

 あえて欠点を挙げるとすれば、やはりどこかしら冷製トマト料理を想起させ、無意識のうちに比較してしまいがちな点。つまり食べながら、「あぁ、ちゃんとした冷製トマトパスタが食べたい」などと思ってしまうわけです。

 気を取り直して、お次は「辛麺」です。「唐辛子グー、お腹グー」という“辛麺ダンス”も話題の、比較的新しい商品です。

冷製辛麺
冷製辛麺

 この辛麺の特徴は、唐辛子の辛味、キムチの酸味、ニンニクの風味、そして味噌のコクを効かせた旨辛スープと、「カップヌードル」史上最大量の唐辛子=ぶっかけ焙煎唐辛子が入っているということ。

 これも、辛、酸、うま味のバランスの良さから期待が大きかったのですが、食べてみると意外にも“ぶっかけ焙煎唐辛子”が大きな障壁として立ちふさがりました。なぜなら、氷で冷やすとこの唐辛子がダマになり、よくかき混ぜてもあまりスープに溶けないのです。

 泡立て器を持ち出して無理矢理かき混ぜて溶かして食べてみたのですが、ただ辛さだけが際立ち、旨みをほぼ感じられませんでした。うーん、このカップ麺は熱いほうが絶対に美味しいと思います。

 そして最後は「パクチー香るトムヤムクン」です。

冷製トムヤムクンヌードル
冷製トムヤムクンヌードル

 これ、ひと口食べて衝撃が走りました。めちゃくちゃ美味しくて思わず「これが一番!」と叫んでしまったくらいです。その味わいたるや、群を抜いていました。

 トムヤムクンといえばタイ生まれの“酸っぱ辛い”スープとして有名ですが、実はタマリンドの酸味、プリッキーヌという唐辛子の辛味、レモングラスなどのハーブの風味、そしてエビの旨み、ココナツミルクのコクなど、世界3大スープに数えられるだけあって、非常に複雑かつ奥深い味わいが特徴です。

 そしてチリトマトの時にわかったように、カップヌードルの味は冷やすとより際立ちます。これは素直に美味しいです。しかも、タイという常夏の国のエキゾチックさが強く感じられるスパイスやハーブの香りも、さらに美味しさを加速させてくれるポイントです。

冷製にしたトムヤムクンヌードルにトマトやパクチーを入れてみました
冷製にしたトムヤムクンヌードルにトマトやパクチーを入れてみました

 というわけで「冷しカップ麺杯」の結果です。最強はダントツで「トムヤムクンヌードル」、2位は「チリトマトヌードル」、3位は僅差で「辛麺」、4位は「シーフードヌードル」でした。

冷たくしても美味しかったベスト3(食楽web)
冷たくしても美味しかったベスト3(食楽web)

 テストの結果、わかったことは、ベーシックで平坦な味のものは冷やすとイマイチだということ。できれば辛・酸・うま味などが適度に分散しているフレーバーが合うようです。なので、例えばシーフードヌードルなら、ラー油や酢を少したらしてみるとか、ひと工夫すれば美味しくなると思います。

 天気予報によれば今年も猛暑が来るらしいので、皆さんも冷たいカップヌードルをぜひお試しあれ。

(撮影・文◎土原亜子)