切れ味バツグン! 日々の料理が100倍楽しくなる「種子島包丁」の魅力

料理がもっと楽しくなる! 切れ味バツグンの「種子島包丁」の魅力
「池波刃物製作所」の本種子包丁と本種子鋏。気迫と品格に満ちた姿が美しい。|食楽web

CLASKA Gallery & Shop DOのディレクターであり、日用品からアンティークまで大の買い物好きで知られる大熊健郎さん。そんな“モノ好き”人間のお眼鏡にかなった、食にまつわるモノとコトを紹介します。

 料理を億劫だと感じさせるのはなんといってもその下準備的な部分である。下準備といっても大して手の込んだ料理をつくるわけではないので、材料や調味料をきちんとしかるべき量を用意しておく、といった程度なのだがこれが結構面倒で…。

 テレビの料理番組では、あらかじめバットやボウルに材料が適量用意され、小さなガラス小皿に塩や醤油やお酒が小分けにされていますよね。「はい、ここでお酒を大さじ二杯いれます!」なんて感じでそのガラス小皿に入った調味料をフライパンに流し込む。「はい出来上がり。ねーとても簡単でしょう!」なんて言われると、そりゃあなた、そんな下準備してもらってたら簡単で楽しいに決まってますよ、あとは煮たり炒めたりするだけなんだから。

 それが最近、あるものを手に入れたことがきっかけで、その下準備時間がだいぶ楽しくなりました。そのあるものとは何か。包丁である。いや包丁くらいもちろんそれまでも一つ二つ持っていましたよ。でも今回手に入れた種子島包丁を使ってみて目が開かれる思いがしましたね。まず恐ろしくよく切れるのである。そしてよく切れる包丁を使うことが料理という行為においていかに重要な意味を持つか私は気がついたのである。サクサクザクザクトントントン。もう切るのが楽しくてしょうがない。油断したら指くらい簡単に飛んじゃいそうに切れるんだから。

 種子島と言えば皆さんもご存じ「鉄砲伝来」の島。種子島は砂鉄の産出に恵まれていた土地だったこともあり、古来より製鉄技術が発達し、刀鍛冶をはじめとする多くの鍛冶職人がいた。だいたい鉄砲を積んだ外国の船がたまたま漂着した島で、すぐに鉄砲の複製が作れてしまったというのは、考えると凄いことですよ。まあ戦国時代以来、刀から鉄砲まで作ってきた島のDNAが受け継がれて生まれた包丁なんだからよく切れるのも当然かもしれない。

 そして見てください、この包丁然とした凛々しい姿。「包丁にとって大事なのはよく切れること以外にない」とでも言わんばかりの男気溢れるスタイルだと思いませんか。鍛冶屋魂、いや武士の魂を感じさせる銘品だと言えましょう。

●著者プロフィール

ビールが100倍旨くなる、松徳硝子の「うすはり」【モノ好きの食卓】

大熊健郎

CLASKA Gallery & Shop DOディレクター。1969年東京生まれ。インテリア会社、編集プロダクション勤務を経て2008年CLASKAのリニューアルを手掛ける。同時に立ち上げたライフスタイルショップ「CLASKA Gallery & Shop DO」ディレクターとして、バイイングから企画運営全般を担う。
http://do.claska.com/